1999年10月9日 瑞江駅前広場  アルシオン


新宿三丁目から新宿都営線に乗ること、30分。 瑞江なんて場所がこの世界にあることさえも知らなかった。駅を出ると、いき なり優待券(上の写真)を撒いているお兄さんとお姉さんに出会う。1500 円だって! アルシオンちょろい。そう思いながら会場に行くと、1500円 のチケットは売り切れだとか。なんかズルいよなあ、こういうの。3000円 払ってチケットを買い、隣の本屋で時間を潰す。本屋の前の水道で浜田文子が 歯を磨いていたり。
●結局、本屋では何も買わずに入場。CAZAIの曲が流れる会場は満員マー クを付けてもいい入りだ。会場はただ の空き地で、やろうと思えば、隣接したマンションの廊下から只見もできる場 所。実際、マンションから見下ろしている人もいっぱいいるし。選手入場式が始 まり、いきなりショッキングな事実がここに明かされた。
「驚異の新人、今世紀最後の空中戦ファイター、本日は負 傷で欠場、藤田愛!」
 はあ? ここまで来て愛ちゃんが見られないって。おまけに大向も奥津もA KINOも欠場中。残念。しかし、アルシオンのリングアナ、相変わらず楽し ませてくれると言うか。「今世紀最後の空中戦ファイター」もナンですが、大 向なんて「ビッグバン・バーニー」ですよ。どういう意味かしら。宇宙の起 源のうさぎ? 誰か教えて。


第1試合 スヘイ VS 吉田万里子

スヘイは蝶をかたどったマスクをつけたルチャド ーラ。マスクのデザインに凝る前に、自分のリングネームについて深く考える べきだったようにも思いますが、これは個人の趣味もあるだろうし、仕方あり ません。
●試合内容はよく覚えてないわ。けっこう健闘したスヘイだけど、吉田にパワ ーボムで叩きつけられ、シャチホコ固めでギブアップ。

これが、あのスヘイだスヘイのすごい技。このまま
相手をくるくる回すのだ
パワーボムをウラカンで切り返す


第2試合 リンダ・スター VS 玉田りえ

何たってリンダだよ、 リンダ。入場テーマはブルーハーツじゃなかった けれど。アルシオン、なかなかやるね。こうなったら、リンダを応援するしか ないじゃないですか。あるいはナンシーとかキャサリンとか、こういう向こう の典型的な名前というのは、それだけで意味もなくおかしかったりします。昔、 FMWにスイート・ジョージア・ブラウンという黒人女子レスラーが来日した もんですが、誰かが「ジョージア」って声をかけると、会場中が笑いに包まれ ていました。
●そんなことはいいとして。リンダ、名前に似合わ ずメキシカンです。ルチャ。どうも水色の水着からはみ出たお尻が気になるん ですが。試合開始早々トップロープに飛び乗ると、いきなり足を踏み外したり。 トゥームストンパイルドライバーの体勢に決めると、下へ落とすのではなく、 そのまま前へ倒れ込み、お尻を攻めてるとか思えない技とか。いい味出しまく り。サンダーファイヤーの体勢になって、おおっ、いくのか?と身構えると、 そのままカナディアンバックブリーカー。とことん脱力させてくれるリンダ。 玉田も力が抜けたか、時間切れの引き分け。

これがリンダだ!ロープに飛び乗るも、たちまち
足を踏み外す
玉田はフロントフェースロックという
女子プロらしからぬ技を見せた


第3試合 府川唯未 VS 二上美紀子

二上の変わった関節技。やられる方は
ひたすら恥ずかしい姿勢を強いられる。
これは腕で決めるストラングルホールドか

私は府川が好き。「近所の犬に似てる」とか「昔、 有名なヤンキーだったらしい」とか、府川の美貌、イノセントぶりに疑問を差 し挟む声も多いのですが、実際に見ると、やはりかわいい唯未たん。この人と 大向、吉田の3人がいるだけで、私はアルシオンが好きだったわけで。今は浜 田と藤田もデビューして、文句なしですね。目の保養になるプロレスです、ア ルシオン。府川はコスチュームも何げにチラリズムだし。ちなみに、今の大向 の黒いコスとか、以前の奥津のコスとか、下着にしか見えないんですが。
●この対戦、今までの記録では二上の4勝1引き分けだとか。で、今日も二上 のペース。関節技を得意にする者同士の対戦だけど、そうなれば二上に一日ど ころか何日もの長があるわけで。長〜いブレーンバスターの後、コブラツイス トのような体勢から相手の足を持ち上げる不思議な関節技を見せた二上。なん か屈辱的な技ですね。しかも、それが長い。「ほ〜ら、唯未。もっと足を広げ るんだよ。お客さんを楽しませてごらん」というような感じで、ドキドキして しまいました。技の引き出しが多い二上に対し、府川はフィッシャーマンズス ープレックス、腕ひしぎ、脇固めとオーソドックスな技で対抗。でも、すぐに 今度は腕で決めるストラングルホールドのような技で固められ、苦しそうな府 川。
●顔から落とす奇妙なスープレックスなども決められ、遊ばれていた感のある 府川ながら、一瞬の隙を突いて決めた足への関節技(これも名称不明)で二上 がギブアップ。ちょっと拍子抜け。試合は完全に二上のものだったんだけど、 とりあえず初勝利ということで。おめでとう、唯未たん。

これがフィニッシュ喜びを隠しきれない唯未さん


休み時間。しかしながら、アルシオンにとって は、選手が色仕掛けでグッズを売りさばく興行の中で一番大切な時。本当に飛 ぶように売れるのね。良いと思いますわ。一部のインディーみたいに、ファン が団体のことを心配して、わざわざ高いチケット買うとか、そういうのよりず っと健康的というか。府川ににっこりされると、ここにある物はすべて家に帰 るとその輝きを失ってホコリをかぶるガラクタだということなんて忘れて、思 わず手が出そうになってしまいます。我慢しましたけどね。最近、プロレスの フィギアがちょっと好きなので、府川唯未フィギアとかあったら、わからなか ったかも。どん な風にそれで遊ぶのか考えると、自分でもどうなってしまうのかわからなくて、 売ってなくて良かったような気もしますが。全身の関節可動、コスチューム着脱 可能の府川フィギア、空想だけにしておきましょう。

売店で活躍のキャンディマンなぜか狂気の走った表情の府川言うまでもなくリンダ


メインイベント 浜田文子、マリー・アパッチェ VS アジャ・コング、吉田万里子

浜田文子全身図解

ツラ。ブレたのが逆にある種の効果を出
したので、あえて使用
前面図。ダイナミック

腰。パンパンなところがアスリート背面図。かっこいい

浜田が、最近ブレークしたらしいマリーとのタ ッグで、アルシオン最強コンビを迎え撃つ。久々に見たけど、やはり浜田は別 格。本屋の前で歯を磨いている時は単なる太った姉ちゃんに見えた浜田だけど、 リング上では全身磨き抜かれた闘いの女神という感じ。地方興行ということで 人気はアジャに集まっていたものの、個人的にはもう浜田しか見るものがない というところで。
●浜田と吉田の組み合わせでスタート。打点の高いドロップキックを見舞い、 ダブルアームスープレックスで吉田を投げ捨てる。アジャ相手にパワーで押さ れても、体のある浜田、壊されたりはしないだけの安定感を感じさせ、デビュ ーから1年ながら堂々のメインイベンターである。以前見たときはぎこちない印象 しかなかったマリーも落ち着いた試合運びを見せ、吉田に回転吊り天井を決め る。前はアパッチェ姉妹、いつになったら使いものになるのか、なんて考えて いたけど。ちゃんとなんとかなった。アジャは浜田を締め上げながら、 「Ask him!」。どこにhimがいるよ?
●マリーのコーナーポストからのトペコン、 浜田のトップロープ・ラ・ケブラーダと空中殺法の連打。女子プロではずば抜 けた体のバネを感じさせる浜田。前回見た時は技のミスが目立ったものだった が、今日は完璧な出来。最後はアジャに仕掛けたウラカン・ラナをパワーボム で切り替えされ、垂直落下式ブレーンバスターに沈んだものの、メインイベン トと呼ぶにふさわしい試合だったのではないか。選手全員がリングに上がり、 アジャが観客に挨拶。
「毎年恒例ということで、来年も瑞江でやりと思います。後楽園ホールにもぜ ひ足を運んでください。今日よりもさらに熱いファイトやってますので」
 何、営業やってんだよ。その間も後頭部を痛そうに押さえていた文子。大丈 夫かね。ともかく、スターっていうのはやはり生まれつきなんだなと思ってし まった試合でした。

ロープ渡りも得意技フィニッシュのブレーンバスター


帰ろうとすると、突然打撃音と悲鳴。何かと思 えば、いや、もちろんラスカチョ。そうなれば良いなと思ったけど、本当に来 るとは思っていなかった。アジャに奇襲をかけ、叩きのめしたラスカチョはエ プロンに立って、マイクアピール。「本当のストリートファイトを見せてやっ たぞ」もう最高っす。ラスカチョ萌え。
●文句をつけるアルシオン勢に、ラスカチョはエプロンを伝ってこっちへやっ てくる。下田がリングのそばにいた私の目の前へ。私は人より背が高いので、 ちょっと見上げると、すぐそこに下田の股間が来るかたちとなって。この時、 私の顔と下田のジーパンを履いた股間は30pくらいしか離れてなかったと思 います。こういうのは、いろいろ困るというか。そんなことはいいとして、マ ジで怒っているアルシオンファンもいて、熱いですね。そして、混雑している 中で始まった大乱闘。大向に押し退けられたり、おばあちゃんが悲鳴をあげた り、それはもう。たまたま近所のつきあいでプロレスを見に来てしまった方は 「なかなか面白いじゃないか」という感想を「やはりプロレスなんてバカなと ころに来るんじゃなかった」という後悔に切り替えるに充分な荒れようでした。 そうです、これがプロレスです。乱入はプロレスの華。
●ラスカチョが引き上げた後、アジャがマイクで何かがなって いるのなんか放っておいて、ラスカチョを追いかける。ちょっと前、自分達が ぶっ壊した会場のすぐ前でプロレス雑誌のインタビューを受けている2人。ち ょっとマヌケな。適当に切り上げると、2人は三田の車に乗り込んで、帰ってい きました。
●やっぱステキだよ、ラスカチョ。大好きと言っていい。ラスカチョ を形容する言葉はこの世にたくさんある。黒いのと白いの。下品なヤツ2人。 ただでかい女。それでも私は地方都市のスナックのママさんのような下田と年齢 を間違えたコギャルのような三田を支持したい。この徹底してアタマ悪な雰囲気 を漂わす2人の痛快さを理解できるのはアタマ良なあなただけですわ。ラスカ チョって何げにビジュアルファイターだしね。やはりロッシーもその辺でラス カチョ参戦ってことなんでしょう。

乱入。マイクでアジる路上で記者会見


天気読み  WRESTLE


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