1999年8月20日 後楽園ホール  FMW


 会場に入ると、あたりは真っ暗。ブラックライトの不気味な光だけがあたり を薄ぼんやりと照らし出している。壁には葬式でおなじみの白と黒の垂れ幕。 凝ってますね。今日はお化け屋敷とプロレスの融合って感じの日で、試合前に はプロの噺家による四谷怪談の朗読もあり。こういうの好きです。ビバ日本の 夏。

四谷怪談の朗読もあったJ太 郎と斉藤さんも第1試合では、 佐々木が山崎を敗る。


フライングキッド市原 VS 邪道

(邪道)「市原、かっこいいな。でも、かっこいいだけで俺に勝てるかな」
(市原と瀬奈)「勝てるよ」
(邪道)「勝てなかったら、どうすんだ。ゴルァ」
(瀬奈)「どうすればいいんですか?」
(邪道)「俺の女になるか、ここで脱ぐかだな」
(瀬奈)「いいわよ」
 瀬奈ちゃんのストリップが懸かり、こうなったら、観客は全員邪道の味方。 とんでもない約束をしながら、いざ試合となると、頼りの市原 はあっという間に邪道のテキサスクローバーホールドにギブアップ。若菜瀬奈はプロ レスフ ァンのいやらしい視線の中、裸になるハメに。ビキニ姿になったところで、邪道は 「ま あ、このくらいにしといてやろう」。観客は「エーッ!!」。
「3日後の後楽園ではひんむいてやるからな」と邪道が言うと、「その日は来ないん だよ!」と バルコの観客からナイスな突っ込みも。瀬奈ちゃん、いよいよピンチ。

邪道に言い寄られるも2人の 絆は壊れなかった


中山香里、元川恵美 VS タニー・マウス、中村由佳

元川のミサイルキックフィニッ シュのムーンサルトFMW女 子の勝利


リッキー・フジ VS 荒井昌一

 映画「飛翔伝説クロウ」のペイントで現れたリッキー。ブランドン・リー追 悼。対して、おばけの覆面をかぶった荒井社長。お前、荒井じゃないだろ?とリッキー が 疑うと、マイクを取って「ただいまから試合を開始いたします」。リングアナ 時代の懐かしの名調子を聞かせてくれる。間違いなく本物だ。いくら冬木が レフェリーと言えど、素人の荒い社長では、レスラー相手にひとたまりもない。
 しかし、場内に赤ん坊の泣き声が響くと、映画「スクリーム」の覆面を被った男に 引き連 れられ、身長2メートルほどの覆面レスラーが場外に現れる。リッキーとレフェリ ーが気を取られた隙に、荒井社長と同じコスチュームを身につけた外道(?)が入 れ替わってリングイン。しばらく普通にプロレスを展開していたが、 スクリーム覆面男がエプロンからリッキーの気を引くと、 外道は卒塔婆でリッキーを殴る。再び入れ替わった荒井社長が失神したリッキ ーを去年見せたつんのめりプレスでフォール。荒井社長が勝ってしまいました。
 試合後には、身長2メートルにまでチョークスラムで叩き付けられて、さんざん なリッキー。リッキー受難の日。

足の短いクロウ。ギターも弾きます乱入した巨大覆面男


セミファイナル
ダークサイドHAYABUSA、黒田哲広、大矢剛功 VS 中川浩二、金村ゆ きひろ、非道

谷本さんと大矢ダークサイド HAYABUSA

 墓荒らしマッチとして組まれたセミファイナル。お化け灯籠や卒塔婆に囲ま れたリングに、大矢さんは谷本さんと演歌で現れ、黒田はマイクを取って 「みなさーん、このリングにはおばけなんかいません。黒田、サイコー!」。 最初から、せっかくのオカルトマッチをぶち壊してくれます。リングサイドには 棺桶が用意されていて、中にはゴムでできた人間の手やスライムが入っていたも のの、これも金村や黒田のおもちゃになってました。そして、ハヤブサは 去年8月以来のダークサイドHAYABUSAで登場。 卒塔婆で相手を殴るなどしていたものの、試合が進むにつれて、普通のハヤブ サに戻っていたような。ラ・ケブラーダも見せ、 フィニッシュはファイヤーバードスプラッシュで非道を押しつぶしてみせた。
 墓荒らしマッチと言いながらも、そこに不気味さは感じられず、観客の笑いが 絶えない今のエンタメFMWらしい試合。セミファイナルとしては、そこそこだったけ ど、 あと2試合で終わりになるというハヤブサをもっとしっかり見たかったなあ。

真剣白羽取り?ハヤブサの新 技


メインイベント 田中将斗VSミスター雁之助

DANGANボムスウィング DDT

 この試合のポイントはレフェリーが冬木だということ。冬木は試合前にマイ クを握り、田中に脅しをかける。
「田中選手。レフェリーは絶対的な権限を持っている。俺に指一本でも触れた ら、即反則負けだ。解雇してやるぞ。せいぜい反則負けにならないよう頑張れよ」
 試合前半から、意外にもがっちりと噛み合ったプロレスの攻防。時々入る冬木の 不公平なレフェリングがなければ、名勝負の予感が聞こえてきそうなほどだ。中盤か ら、骨折している肘を攻められた田中の動きが止まる。その耳元で、「ギブアップ しろ!」とがなりたてる冬木。田中の悲痛なうめき声が場内に響く。DANGANボムも 雁之助にアームバーに切り返されてしまう。
 田中は必殺のダイヤモンドダストを繰り出し、ランニン グエルボーであと一歩まで追い詰めるも、雁之助のリバースサンダーファイヤー (ブルズポセイドン)で頭から落とされ、目が飛んでしまう。大技の掛け合い。雁之 助のノーザンライト スープレックス、ドラゴンスープレックスを受けながら、高速カウントを返さなけれ ば ならない田中。観客の判官贔屓も手伝って試合がヒートする中、両者の誤爆を不意に 受けた 冬木は失神。場内大歓声。代わりに、姉崎レフェリーがリングに飛び込んだ。
 田中は雁之助クラッチ2連発に冷や汗をかいたものの、エルボーから2発目のダイ ヤモンドダストを雁之助に叩き込み、すかさず姉崎レフェリーが3カウントを入れる。 この瞬間、会場内は爆発。田中がこれほど観客の後押しを受けたことも今まであまり なかったのではないか。良い試合だった。ギミックを絡めながらも、内容の充 実したFMWらしい試合だったように思う。
 興行全体を通して、まあまあでしょうか。横浜アリーナへの道は続きます。

パワーボム雁之助のドラゴン スープレックスは珍しい


プロレスくん


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