1999年7月31日 後楽園ホール  FMW


第4試合 ハヤブサ、田中将斗、黒田哲広 VS スーパー・レザー、ジ・アルマゲドン

飛んだものの、受け止められて、背中から鉄柱
へ持っていかれたハヤブサ
1号の豪快なのど輪

リーグ戦では、外人チームに負けているハヤブサ 組。しかし、今日の興行の中での、この試合の位置づけを考えると、いかにハ ヤブサ組が鮮やかに勝つかというところを見せる試合である。今日はスタート ダッシュをかけた正規軍だが、外人チームの巨体に押され気味。ストリートフ ァイトスタイルのように個々の組み合わせが順番にリング内に飛び込み、それ ぞれの攻防を見せたものの、外人チームが優勢。ハヤブサ組はここで疲れては いられないはずだ。
田中のエルボーアタックからハヤブサが珍しいミサイルキックなどを見せ、 レザーをタイガードライバーで叩きつけてから、ファイヤーバードスプラッシ ュで舞うと、あっけなく3カウント。ハヤブサが3試合ともコスチュームの色 を変えることを期待していたのだが、試合が終わった途端に「come out and play」が場内に鳴り響くマラソンマッチ形式で、どうやら、そんなことは望め ないようだ。

珍しいハヤブサのミサイルキックフィニッシュのファイヤーバード


セミファイナル ハヤブサ、田中将斗、黒田哲広 VS ミスター雁之助、金村ゆきひろ、邪道

南側通路での定番捕まった田中

ここがハヤブサ組にとって初の試練となる。入場 してきて、いきなりコーナーからとんだ金村を、田中がドロップキックで撃墜 する幸先良いスタート。黒田が邪道の膝へドロップキックを打ち込んでから、 邪道の左足に狙いを定めて押し気味だったハヤブサ組だが、田中の場外エ ルボースイシーダが邪道にイスで受けられ、それ以降、田中が捕まる一方的な 展開となる。右ヒジを代わる代わる攻め立てられる田中だが、驚いたのは 「田中リストラ・ネタ」がファンの間にすっかり浸透していること。特に女性 客の悲鳴がひっきりなしに会場内に響く。邪道が「と、見せかけて!」と叫ん でからの腕殺しで、いつもの黒田の足殺しを茶々ると、コーナーに控える黒田 は「ああ、なんてことを…」という表情。これがもうステキと言っていいのか、 最近の黒田の壊れ方、すごすぎ。1人でエンタメ路線を突っ走っています。

あまりにも美しかったケブラーダ雁之助クラッチにニア3カウント

DANGANボムで金村を叩きつけ、田中がロ ンリーバトルを脱すると、いかにもハヤブサ組らし い波状攻撃が雁之助組を襲う。しかし、試合を見ていた友人達も同様に感じた ようなのだが、雁之助組の3人の魅力のなさはいったいなんだろう? 雁之助も金村 も邪道もそれぞれ別キャラの悪党として立っていたはずだ。こうやって束にし て見ると、ただの十把一絡げ。単なる冬木の子分達。TNR復活に対しては、 やはり否定しかないのが自分の気持。つまらないんだもん。特に雁之 助は、今年始めあたりついに単独のヒールとして立って、これからというとこ ろだったのに。結局、冬木の下で「お仕事」をすることしかできないレスラー に見えてしまうんだね。残念。
ハヤブサのいつにも増してパーフェクトなケブ ラーダに驚く。素晴らしい高さ。そして、自然な着地。雁之助が雁之助クラッ チ、ハヤブサのジャーマン、黒田のジャーマンと、大 技が飛び交う展開になったが、終盤はハヤブサと邪道の一騎打ちの様相。何度 ハヤブサにキックで迎撃されても、ラリアットを狙っていった邪道だが、ハヤ ブサのカウンター掌打を受けると、そのまま押さえ込まれて、3カウント。ハ ヤブサらしくないフィニッシュに感じられたが、ハヤブサも2試合目で、それ だけ追い込まれていたということか。冬木が木槌を担いで入場である。

ハヤブサはブリッジも綺麗だ田中のスウィングDDT


メインイベント ハヤブサ、田中将斗、黒田哲広 VS 冬木弘道、中川浩二、外道

序盤からダイヤモンドダストヒジの痛みを堪えて、打っていく田中

冬木のパートナーが中川、外道だと発表された時 にはアレ?という感じだったが、これが正解だったかも。冬木が顔となったチ ームで、手足となって動くには中川、外道のテクニシャンコンビは打ってつけ である。冬木組が入場してくると、TNR総出でハヤブサ組に襲いかかり、冬 木は本部席付近で再び田中の右ヒジを木槌で破壊しようとするが、飛び込んだ ハヤブサが身代わりになって、背中に木槌を受ける。ハヤブサはもうコーナー で倒れ込んだまま立つこともできず、田中が試合序盤にダイヤモンドダストを 外道に決めるなど奮闘したものの、ヒジを攻められると、苦しい。1人元気だ った黒田(これがまたキャラに合っている)も、場外で木槌攻撃を受け、冬木 とのラリアットの撃ち合いの最中に腕を痛めて、戦線離脱となった。
最後はハヤブサと冬木の一騎打ちの様相。体重 のある冬木を完璧なファルコンアローで叩きつけ、ファイヤーバードスプラッ シュの2連発を決めたハヤブサだったが、TNR勢のカットに3カウントは取 れず。冬木のラリアット連発を幾度も2カウントで返したハヤブサだったが、 ついに力つきて3カウント。WEW初代王者には冬木、中川、外道の3人が就 いた。

スワンダイブニールキックも
札幌で封印か?
冬木相手のファルコンアローは珍しい

試合後は荒井社長と久々の荒井薫子(よりブーに なっていた。コギャルはいかんよ)も加わって、 ブリブラダンスを踊る。一番良かった頃の象徴的なアイテムを持ってきて、つ いでに当時の熱気を呼び戻そうというのなら、あまりにも安易。選手が引き上 げた後、赤ん坊の泣き声がスピーカーから流れ、いったん退場した冬木が戻っ てきて不安そうな表情を見せていた。観戦仲間のIさんが「やりすぎだよ」 と不快な顔を見せる。
全体を通して、エンターテイメントとして、よく 練り込まれていたと感心する。しかし、俺が見たいのはこういうものではない。 地方では良い感じの興行を行っているFMWだが、もう特にFMWにこだわる 必要はないというのが私の気持かね。とりあえず、試合後飲んだ観戦仲間の感 想。
◇プロレスを見たという気がしない。技のアタリが軽い。この前見たDDTの 方が重かった、普段、他団体を見 ている仲間達が来たら、やはりFMWはダメだと言われたと思う。でも、女の 子はアタリが重いと、怖がっちゃうから、このくらいがいいのかな。(よく見 ていた2年前と比べて)悲壮感がなくなった。でも、面白かったですよ。 (今はプロレスを見ないHさん)
◇エンターテイメントだからこそ、アレ?っていう部分があっちゃいけないと 思うんですけど。バルコニーから見ると、アタリが軽いのがよくわかります ね。でも、面白かったし、良いと思います。(闘龍門ファンのO君)
私自身もプロレスを見たという満足感があまり ありませんでした。「アタリ」に関しては、どっちを選ぶかという問題でしょ うかね。WARのように、試合展開の早さを犠牲にしてでも重いアタリのリア リティを追求していくか、一個一個は軽くとも、速い流れを作り、長時間動き 回れるスタミナを誇示するFMWか。歳のせいか、少しどっしりした重めのプロレス を見たいという気持は確かにありますね。

異例のファイアーバード2連発最後は冬木のラリアット4連発


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