FBATL Journal (01) 6/20FMW多古大会観戦記

1999年6月20日 多古町民体育館  FMW


多古町民体育館

●K☆INGとarrowさんと近場の遠征である。成田の近くだという話だった が、いやー、田舎だぜ。町のメインストリートに人が誰もいない。特に若者 が。飯を食うところも見つからないし、かろうじてコンビニだけはあるよ、み たいな。人に訊いて、やっとそば屋を発見。中華そばを食べる。
●会場は普通の小さな体育館という感じ。その前に広がる芝生のベンチには、 弁当を広げて食べてる牧歌的なカップルがいる。田舎のカップル発見!と思っ たら、単なるヒ○ケンさんとテ○クロさんでした。ちぇっ。でも、今日は知っ た顔が少ないな。他には、横須賀支部とか、和田ぴょんさんくらいしか会いま せんでした。WARとか、GAEAとか、バトラとかに行ったんでしょうか。 こっちはなんせ陸の孤島です。
●会場はみちのくでお馴染みのござシート方式。入りは文句なしの超満員札止 め。シートから人が溢れ出ています。髪を下ろした元川がいる。本気で、その 美しさに深く感じ入りました。こんなに綺麗だったんだね、えみほさん。間違い なく女子プロレスでは私の一番です。仕事で忙しそうな夕紀さんは、リングの 上からこっちに手を振ってくれる。相変わらず、感じ良い人だ。もしかしてFMW って最強の女子プロ団体なんではないでしょうか。えみほがいて、夕紀さんが いて、オマケに中山もいる。ハイパーじゃないかもしれないけど、けっこうビ ジュアルなFMW女子。エンターテイメントにかわいい子は欠かせませんからね。 アルシオンみたいにグッズ売ってくださいな。


第1試合 佐々木嘉則 VS 山崎直彦

途中まで普通の試合のようだったが
●何のこともない、いつものカード。そう思わせておいて、信じられないよう なことが。あの温厚な佐々木が山崎を完璧に潰してしまったのである。
●初っぱなから2人はチョップ、張り手合戦。しかし、妙にアタリがきつい。 佐々木が山崎の頬を殴ると、肉を打つ鈍い音が響く。まぎれもなく本物。 ギミックなどはない。しかし、これでは収まらなかったのだ。山崎もフライン グクロスチョップなどをいつものように放ったのだが、倒れた山崎の頭を佐々 木が力任せに踏みつけたのである。会場の客から異様などよめきが起こる。こ れはちょっとマズいんじゃないか? そう思って、見ていたのだが。
●この時、山崎はすでに死に体となっていたのだろう。しかし、佐々木は山崎 をコーナーに釘付けにして、顔面を打ち抜くラリアット。これもほとんど殴り つけるようなもの。確かに客は感嘆の声を上げたが。山崎が立ち上がれない。 ロープに振られても、走れない。佐々木に串刺しドロップキックを見舞ったも のの、飛ぶことができず、腹のあたりに弱々しく当たっただけだ。試合続行不 可能と見た佐々木は格好だけつけるために、ほとんど持ち上げないのど輪落と し一発で山崎を葬った。
●試合後の佐々木は心配そうに山崎の顔を覗き込んでいた。両者の感情的な問 題などではなく、ただ単に、いつも以上のハードな試合を見せようという合意 があったのだろう。しかし、それ以前に、山崎は潰れてしまった。試合後の山 崎の悔しそうな表情。素人の自分には判断でき兼ねることだが、「やり過ぎ」 という言葉を使っても良いような試合だったのでは。
●それと同時に、佐々木の潜在的な恐ろしさも改めて見たように思う。この大 きさでこの動きの早さ。必ず近いうちにトップクラスの一角を張る選手になる だろう。ある意味、今日の興行の中で一番衝撃的な試合だったのである。


第2試合 フライングキッド市原 VS スーパー・レザー

●これは一変して、平和な雰囲気だ。本部席の前を動かないレザー。平岩リン グアナがマイクを握り、「レザー選手が、なぜ今日の市原は若菜瀬奈と一緒じ ゃないんだ?、と言っています」と最初から掴み。K☆INGが「レザー!!」 と呼べば、「なんじゃー?」と答えが返ってくる。顔を覚えられてますね、あ なた。ここは水撒き禁止かなと思っていたら、撒くわ撒くわ。ケブラーダなど 定番技を放った市原だったが、トゥームストンパイルドライバーでピンフォー ル負け。お客さんは喜んでいたし、いいんじゃないでしょうか。

こんなに体が違うのだ市原のじみーなケブラーダ


セミファイナル 非道 VS サブゥー

トリプルステップ式のプランチャござシートの上でもみ合う

●場外乱闘の末、サブゥーの破天荒な技の品評会。非道もプランチャ、ムーン サルトなど見せたものの、ファンの期待はサブゥーのエクストリームな部分か。 トリプルステップ式のプランチャ、エアサブゥー(イス付きギロチン)、飛び つき雪崩式フランケンシュタイナーなどを見せた後で、場外の机に非道を寝か せ、ロープ越しのギロチンを見舞って、場外でピンフォール勝ち。ECWコー ルも小さく起きていました。
●しかし、サブゥーってのはマスカラスと同じだね。自分の技だけひととおり 見せれば試合になると思っているというか、プロレスにダイアローグ<対話> がない、全部モノローグ<独り言>。要するに手品みたいなお馴染みの芸をや っているということで、この人のプロレスに対戦相手による発展みたいなもの は望めないだろう。前回、去年の暮れに来日した時、トリプルステップがなか なかきまらずに、4回もやり直した(それでも成功しなかったが)シーンを見 て、彼の自己満足的な完全主義になんとも息苦しさを覚えたものだったが。
●大仁田の試合にもレスリングはある。レスリングとは、相手と呼吸を合わせ たやりとりみたいなものか。その意味で、サブゥーの試合にレスリングは存在 しない。サブゥーはサブゥーの芸で別に良いんだけど、何か一歩そこから出て くることを期待したような気にもなる。日本で「プロレス」をやっていくなら ば。

飛びつき式雪崩フランケン。サブゥーのプロ
レスって本当に手品のノリって言うか
フィニッシュになった机ギロチン


メインイベント
ハヤブサ冬木弘道
田中将斗ミスター雁之助
黒田哲広VS中川浩二
大矢剛功金村ゆきひろ
リッキー・フジ外道

中川の掌を踏みつけるハヤブサ大矢のバックドロップが雁之助に炸裂

●この試合のルール「1人目の退場で4VS4、2人目の退場で3VS3に、 最終的には1VS1のシングルマッチとなり、そこでフォールもしくはギブア ップをとった選手のチームが勝利。」つまり、最後だけ勝 てば、それまでは全部負けても良いわけだ。最後の1VS1になるま では、自分の応援しているチームの選手が相手からフォールを取っても簡単に は喜べない、奥深いというか、わけのわからないルールなのである。ビリヤー ドのナインボールに似ているかな。他の球を全部相手に落とされても、最後の 9番だけ落とせば勝ちになっちゃうやつね。というか、見ている側としては、 攻防が面白ければ、それで良いんだけど。
●一番最後にハヤブサがコールを受けた途端に大乱闘。こういうスタイルの試 合だからして、序盤からラフが中心になる。ハヤブサが中川の掌を足で踏んづ ける女子プロチックな攻めも。雁之助&金村はダブルでのサンダーファイヤー、 チューしてからのダブルエルボードロップでハヤブサを攻め込む。金村がハヤ ブサを逆エビに捕らえると、控えの外道が足で金村の体を押す。金村は地方 ならではのお笑いモード全開で、なんとも嬉しそうに試合をしているようだ。
●一番最初に取られたのはリッキー。冬木にダイビングボディアタックを見舞 って健闘したものの、冬木のラリアットでピンフォール負け。これで敗者・リ ッキーと勝者・冬木が消える。リッキーと引き替えに冬木が消えたので、ハヤ ブサ軍にとってはおいしい負けである。

どこでもやるんです。
「と、見せかけて!」ももはや定番
木槌でハヤブサを叩く外道

●大矢は雁之助をバックドロップで叩きつけ、卍固め、さらにグランドコブラ で雁之助を追い込んだものの、2発目のグランドコブラを狙ったところ、逆に 雁之助にグランドコブラを決められて、3カウント。これで勝者・雁之助と敗者・大矢 が消えて、TNRが2勝。でも、そんなことはこの試合の勝敗には関係がない んです。続いて、黒田が中川をステージ上でフォール。しかし、これは私の座 っていた場所の反対側にあるステージ上での出来事であり、私はその時、自分 のすぐ近くで外道がゴングを叩く木槌でハヤブサを殴っているのを見ていたの で、何があったのかさっぱりわかりません。ともかく、勝者・黒田と敗者・中 川、仕事終わり。
●常にリストラの危機に晒されている田中は金村のヒューマン・トーチでかな り苦しそう。我々が金村にブーイングすると、ヤツはこっちを見て「この田舎 者!」と叫ぶ。我々の応援の成果か、田中はDANGANボムでやり返し、代 わったハヤブサは外道にケブラーダ、トペ・アトミコ、ムーンサルトと空中殺 法の連打からタイガードライバー。金村にもハヤブサと田中のダイブ連弾が。 苦しくなった金村は田中の急所を蹴り上げ、即反則負け。これで勝者・田中と 敗者・金村が消えた。

田中は今日もピンチを迎えたが。
「リストラだ!」という声も客から上がっていた
小僧の頭がなければ、良い写真ですね

●残るはハヤブサと外道。これで今日の勝ちはもらったなと思ったところ、T NRはレフェリーの目を引きつけておいて、冬木らが試合に介入。ハヤブサに ラリアット連打から、スーパーパワーボム。これでペースを狂わされたハヤブ サは外道の逆さ押さえ込み、首固め、外道クラッチといった丸め込み技に冷や 汗の連続だ。しかし、キックを外道の首筋に叩き込み、ファルコンアロー。こ れは2カウントで返されたものの、掌打からコーナーに上る。雁之助が阻止し ようとハヤブサの足を掴むと、ハヤブサは雁之助にもビンタ。そして、のびた 外道めがけて完璧なファイヤーバードスプラッシュ。これで3カウント。ハヤ ブサ軍の勝利だ。
●「俺達FMWはあいつらには絶対に負けない!」ハヤブサのあっさり目のマイ クで締め。今日のハヤブサはエプロンからバック転で降りる新パターンを披露。 地方でも変わらぬ良い試合でした。

TNR勢の乱入で、ハヤブサは大苦戦試合を決めたファイヤーバード


●地方で見るFMWって、どうして良いのだろう。FMWって、地方と後楽園 では別の出し物をやっているんだよね。どっちが好きかは好みの問題だけど。 私は絶対に地方が好きなんです。今日もすごく良い気分で帰途につけました。
●4時に終わったので、帰りは楽だった。高速道路の隙間から夕暮れのディズ ニーランドを覗き、東京都内に入ったのは6時くらいかな。後楽園のWARに 間に合うなと思ったけど、満足した気持をわざわざ壊すこともない。arrowさん を笹塚で下ろし(ごめんなさい)、K☆INGの家の近くのスカイラークガー デンズで晩飯食べて帰る。テーブルの真ん中にはロマンティックなムードたっ ぷりに蝋燭が輝き、向かい合って、それを見つめる僕らの瞳はキラキラ光って いたことでしょう。腹が立つくらい素敵な夜でした。
 


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