1999年4月10日 東京ドーム 新日本プロレス
第0試合 大仁田厚 VS 蝶野正洋<ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ>
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| 報道通り軍用車で登場した蝶野 | オーロラビジョンの中の大仁田と蝶野 |
90・8・4。この日のことは今でもよく覚えている。日本初の電流爆破マ
ッチが行われた日だ。午前中降っていた雨が上がり、汐留の薄汚い旧駅舎の下
に組まれたリングで大仁田と後藤が雌雄を決した試合がこの試合形式の一番始
まりだった。元々企画していたファイヤーデスマッチが消防法の関係で実施で
きなくなり、あわてて大仁田が代わりに考えたのが火薬と電流を使ったこの試
合。FMWはこの試合が話題を呼んだことで軌道に乗り、それ以降、この種の
デスマッチを連発するようになる。最後に行われたのが、97・9・26の大
仁田VS金村。これが内容的に大失敗、大仁田が電流爆破の封印を宣言し、F
MWがデスマッチからの撤退を決めて以降、行われることのなかった試合形式
である。
それが今日、メジャー新日本のドーム大会で行われるわけだ。蝶野には興味
はないし、大仁田ももはやすっかり上がっちゃった現在、わざわざ自分が見に
行く道理はない。それでも、この試合だけを見にドームへ足を運んだのは、メ
ジャーが行う電流爆破マッチのため。事実上のメインイベント。WARも電流
爆破マッチをやりたがっているとの話だが、インパクトの点で、初めての汐留
と今日の試合を越えるものは決して出せないだろう。
今日のドームの入りは今ひとつ。アリーナが特にきつい。逆に我々
がいるドームの最上段はほぼ満員か。試合開始1分前から、東京ドームのオー
ロラビジョンにカウントダウンが映し出される。それが0になったとき、場内
に響き渡る「Wild thing」。周囲から歓声が起こり、曲に合わせて手拍子する
人が多数。大仁田を応援するノボリが数枚はためいている。大仁田の笑顔がオ
ーロラビジョンに映る。片手にはイスを持ち、ペットボトルの水を飲んでは、
宙に吹く。客の投げた紙コップが舞う中で、ドームの花道で持参したイスに腰
掛けると、煙草に火を点けた。新日のリングに立ち、蝶野が来るのを待つ。
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| イスを振り回す大仁田 | 挨拶し合っているわけではありません |
続いて、ヘビーにアレンジした「君が代」が流れ、黒い軍用車が乗り込んで
くる。運転席には真っ黒い電流爆破防御服を着た蝶野。かっこいいねえ、この
人も。昔、白いタイツ履いていた時はどんくさい印象だったんだけど。ロープ
を挟んで、大仁田と睨み合う。そして、試合開始。
殴り、蹴り合うラフを展開する両者。大仁田はイス攻撃で先手を取る。大仁
田にスルーされた蝶野は有刺鉄線に触れる前に、スライディングで逃れる定番
ムーヴを披露。今までの電流爆破マッチのビデオをちゃんと見てきたね。もう
一度振られると、ぎりぎりのところでポーゴばりの「おっとっと」。大仁田は
早くもDDO、サンダーファイヤー。それに対し、蝶野はSTF。ガッチリ決
まっていたが、「これから電流を流します」というアナウンスに自ら技を解く。
蝶野が投げたイスを大仁田がよけると、それが有刺鉄線に当たって、最初の
被爆者はイス。大仁田はそのイスを拾い上げて、挽回。豪快なフェースクラッ
シャーで蝶野の顔面をマットに叩きつけ、有刺鉄線にスルーすると、蝶野が大
仁田より先に爆破の餌食になった。器量あるな、蝶野! マジで感心した。
張り手合戦から、大仁田は頭突きを狙って突進したところをよけられて、有
刺鉄線に突っ込み、3回目の爆破。腕
が裂け、血が流れている。大仁田の腕を取って、傷口を攻める蝶野。余裕ある
蝶野は膝をついた大仁田に「立ってみろ」とばかりのパフォーマンスを見せる。
大仁田は急所攻撃に出るも、やり返されてしまい、苦しい展開に。大仁田が高
々と持ち上げた正調サンダーファイヤーで蝶野を叩きつけ、カウント2で返さ
れるも、いったん両者KO状態。蝶野は2度にわたるケンカキック。しかし、
大仁田はいずれも2カウントで返す。膝をついたまま向き合い、額をぶつけ合
う両者。なんとなく心の交流が感じられたりして。
海野レフェリーが大仁田をチェックに入ったところを蝶野が押し込んで、3
人同時の爆破。海野コールもむなしく、これで海野は失神し、ゴーグルをつけ
たタイガー服部が入る。蝶野が大仁田を押さえ込むが、服部は失神した海野の
状態を気遣っていて、気がつかず、幻のフォールに。大仁田はNWAチャンピ
オンか?(昔ネタ)大仁田のヘッドロックをバックドロップで返した蝶野だが、
大仁田は叩きつけられても、蝶野を締める腕を放そうとしない。さらにもみ合
ううち、大仁田と蝶野が2人同体での爆破。蝶野はもはや動くこともできず、
テンカウントが数えられる。大仁田はかろうじて立っていたが、テンカウント
直前に倒れ、結局両者KOに。
引き分けという結果にブーイングが起こる。しかし、不穏な空気はなく、暴
動などが起こる気配はない。蝶野がマイクをつかんだものの何を言っているの
か聞き取れず、大仁田のマイクは「ありがとうよ、蝶野」というセリフだけが
聞こえてきた。花道で大仁田の肩に革ジャンをかける蝶野。なんかタッグ結成
へ動き出しそうだね。
蝶野の10メートルほど後を歩いて、ゆっくり帰ってゆく大仁田。パーフェ
クトな大仁田劇場だったが、蝶野の恐るべきうまさも目についた。蝶野の評価
は逆に上がっただろう。健介とはこれだけ違うってことね。こんな面白いプロ
レスは近年見られなかったというか、大技がほとんど出ていないのに、テンシ
ョンを最後まで下げなかったんだから。先日の門恵美子の件を考えても、こう
いう試合はひとつのヒントとなるものであろう。やはり新日での大仁田の動き
には注目せざるを得ない。隣で見ていたインディーマニアの池Jさんも手放し
での大絶賛でした。
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| 3人仲良く被爆 | これがフィニッシュだった |
なんかお腹が痛くなったので、この試合を見て帰りました。しかし、大満足。
やばいわ、FMW。「エンターテイメントレスリング・ニュージャパン」の誕
生を感じてしまいました。
水道橋の「ミスター・デンジャー」に寄って、1人でステーキ食べる。松永
光弘は忙しそうでした。