1999年3月29日 後楽園ホール  FMW


 月曜日ということもあって、試合開始時には空席が目立った今日の後楽園ホ ール。次第に埋まり、7時頃にはなんとか満員をつけられる入りに。公式戦を すでに何試合か消化した今になって、選手入場式も行われた。全日の世界最強 タッグを見て育った世代にとって、たすき掛けの選手達が並ぶ光景はなんとも 懐かしいものがある。もっとも、バトラーツの2人は入場拒否、レザー、保坂 組は場外で一回りしただけで控え室に帰ってしまったのだが。
 「全チームを代表してハヤブサ選手から皆様にご挨拶があります」とアナウ ンスされたところ、ハヤブサからマイクを奪って勝手に喋り出す黒田。「俺と 田中が優勝します。どうですか、お客さーん」バカヤロー(笑)。

入場式伊藤豪にお茶を注ぐAD(?)の女性


第1試合 山崎直彦 VS 土方隆司

 両者に紙テープが飛ぶ。って、山崎に投げたのは我々なんだけど、カブッち ゃったよ、色が(赤)。打撃で攻める土方だが、山崎もドロップキック、串刺 しドロップキックを返してゆく。マーズアタックをストマックブロックで受け 止めた土方は逆片エビ固め、腰へのストンピング、ブレーンバスター、腰への エルボードロップ、逆片エビ固めと、山崎の腰を集中攻撃。裏投げ3連発で勝 負あったと思われたが、山崎はフォールを跳ね返し、串刺しニーからのフィッ シャーマンズスープレックスにも耐える。山崎はカウンターのフライングクロ スチョップからフィッシャーマンズスープレックス2連発を決めると、あっさ りピンフォール勝ち。唐突なフィニッシュに、我々も「え?」という感じだっ たが、泣いて喜ぶ山崎に拍手。

串刺しドロップキックこれは1発目のフィッシャーマン


第2試合 保坂秀樹  VS 佐々木嘉則

 大きな2人のゆったりした試合。佐々木は保坂の巨体にダブルアームスープ レックスを決め、のど輪落としで追い込むも、2発目はコーナーに叩きつけら れて、決めることができず。保坂はパワーボム2連発で佐々木に勝利。


第3試合 リッキー・フジ、外道 VS 折原昌夫、小野武志

 リッキーのテーマで入場した2人。コールは外道の方が後だ。最初から、どっ ちが先に出るかで揉めるリッキーと外道。
 しかし、感情的には噛み合わないながらも、ついつい体が動いて、見事な連 携を披露。合体クローズラインに、スーパーキック連発。ところが、外道のエ ルボーがリッキーに誤爆し、あまつさえ外道はそれを嘲笑う。外道がトンパチ マシンガンズに捕まっても、消極的なリッキー。ようやくリッキーに代わると、 折原、小野にカミカゼを見舞う。
 ところが、放送席に邪道が現れると、外道は放送席へ向かい、邪道と口論に。 そして、試合を放棄して控え室に帰っていってしまう。後に残されたリッキー はTM2人がかりでやられるばかりである。折原のエルボーが小野に誤爆した チャンスにリッキーは折原にブレンバスターを決め、さらにカミカゼに行こう とするところ、小野のキックから、折原のみちドラで3カウント。
「リッキー・マウントフジ。お前、1人じゃ何もできないじゃねえか。ベルト を復活させろ。俺がかっこいいベルトにしてやるから」
「おい、折原。爬虫類。これだけライトが熱くて、水がないと苦しいか。1人 じゃ何もできないって言ったな。それはお前も同じじゃねえか。お前がそう思 ってるんなら、俺もそう思ってるんだよ。だったら、次シングルだよ」
 なかなかエンターテイメントな試合でした。

最初は試合として成立していたのだが邪道が現れると、外道の注意はそっちに


第4試合 中川浩二 VS スーパー・レザー

 K☆INGが「レザー!」と叫ぶと、レザーは「なんじゃー!」と返事。試 合が始まってから、「スーパー・レザー選手の強い要望によりストリートファ イトルールとします」とアナウンスが入る。再び、ゴング。「street fight! 」 と叫ぶレザー。
 もちろん、場外戦へ。レザーは五寸釘ブラシを持ち出し、中川の腹を殴る。 額を裂いてゆく。リング内に鉄柵を持ち込み、中川を腹から落とす。さらに五 寸釘ブラシ攻め。やられるばかりの中川。レザーは自らマスクを脱ぐと、マス クに話しかけ、さらに中川の額に押しつける。アル・スノーかいな。これは別 にスタッフがやらせているわけではなく、FMWの選手達は普段からバスの中 でWWFのビデオを眺めているので、こうなってしまうらしい。
 フォークを持ち出した中川。今度は北側客席で乱闘。これでレザーも額から 流血である。延々と場外戦が続く。西側バルコでの乱闘の後は南側で水撒き。 しかし、沸かないねえ。今のFMWの客層とはこういうのは合わないんだよな あ。どっかの酔っぱらったオヤジが水をかけられた腹いせに、レザーにビール をかけ、山崎につまみ出される一幕もあり。二度と来るな。
 リングに戻り、「ボワー!」と叫びながら、中川にトゥームストンパイルド ライバーをかけたレザー。アバラッシュホールド、パワーボムと攻めたものの、 中川は急所攻撃からジャックナイフで軽く3カウントを奪う。こういう試合も 嫌いじゃないが、もういらんよ。このダメ外人は。ボワーと叫べば良いっても んでもないだろうに。グラジエイター、帰ってこないかなあ…。

お約束。落とされそうな姉ヤン中川には流血が似合うマスクと語り合う


第5試合 金村ゆきひろ、非道 VS ジ・アルマゲドン <統一機構最強タッグリーグ公式戦>

 大歓声で迎えられた金村。「come out and play」はいいよねえ。つい腰が動 くもの。一方、「必殺仕事人」で入場のジ・アルマゲドン。1号はお客の女性 に自分のガウンを脱がさせ、ネックレスを女性の首にかけるおいしい立ち回り。
 先発は金村と2号。2号はいきなり金村、非道をボディスラムで叩きつける。 金村組の2人がかりのレッグシザーズに転がされたものの、2人を一遍にラリ アットで吹き飛ばし、場外戦へ。1号の場外DDT2連発で額から流血した非 道は攻められるばかり。しかし、このアルマゲドン、浜松とは見違えるような 動きの良さである。この巨体で、これだけ動ける選手はそういるもんではない。
 イスを振りかざした2号に非道がドロップキックを見舞って反撃開始。代わ った金村が1号、2号とドロップキック。2号の巨体をボディスラムで持ち上 げる。2人がかりの頭突きを受けたものの、アルマゲドン2人に持ち上げられ た非道の背中にミサイルキックを見舞って、押し倒し、さらにトペ。非道もコ ーナーからプランチャ。リング内にイスを持ち込んで、そこに2号を2人がか りのDDT。しかし、金村がコーナーに上ったところを1号にデッドリードラ イブで投げ落とされ、非道がアルマゲドンの合体パワーボムの餌食に。これは 2カウントで返したものの、1号のパイルドライバーから2号のローリングギ ロチンで非道がフォール負け。こいつら、できるわ。アルマゲドン。

1号が非道に場外DDT2号を持ち上げた金村わかりにくいかもしれませんが、持ち上げられた非道の
背中に金村がドロップキックを見舞ったところ


セミファイナル ミスター雁之助、大矢剛功 VS 池田大輔、モハメド・ヨネ
<統一機構最強タッグリーグ公式戦>

 モハは茶色の半ズボン姿。入場してくるなり、いきなり場外乱闘。大矢がキ ャメルクラッチを決めた後、雁之助の仏具攻撃でモハは流血である。ラフに走 った雁之助組にモハがやられるばかりの展開が続く。
 モハのスリーパーを決められた雁之助はコーナーに叩きつけて、軽くクリア ー。なんと珍しい腕ひしぎも決める。池田がカットに入ると、客席からは大ブーイング。代わっ た池田が大ちゃんボンバー、カーフブランディングを決めるも、雁之助は涙も のの雁之助クラッチ、池田の念仏パワーボムもリバーススープレックスに返し て、さらに急所狙いのマンハッタンドロップと優勢に試合を進める。大矢のニ ーをかわした池田はモハにスウィッチ。
 モハが雪崩式ギロチン、バックドロップ。しかし、大矢はこっちが本物だと ばかりにバックドロップ。さらに雁之助のラリアットと大矢のバックドロップ の合体技。雁之助の念仏ラリアットから涅槃で勝負あったと思われたが、池田 がぎりぎりでカット。しかし、雁之助は池田もラリアットで吹き飛ばす。
 しかし、この辺で不安になってきた。うまく行きすぎてる。このまま何もで きないでバト組が負けたら立場ないだろう。プロレス的には、よほど格の差が ない限りそういうことはあり得ないはずだ。バトラの2人に一応格好つくよう な反撃をしてくれと心の中で思う。この辺、屈折した感情があるね(笑)。
 大矢のグランドコブラも3カウント取れず、技を出し尽くした感のある雁之 助組。ますます心配だ。モハは大矢のバックドロップを空中で切り返して、池 田にスウィッチするも、コーナーから飛んだ池田をも延髄斬りで迎撃した大矢。 角度充分のバックドロップを決める。大ちゃんボンバーも腕でブロックして卍 固め。さらにバックドロップを決めようとしたところ、背後から忍び寄ったモ ハが大矢の延髄にニールキックを決め、すかさず池田が大ちゃんボンバーを決 めると、あっさり3カウント。思った通りの結果になって、がっくり。
 マイクを握る池田に「帰れ」コールが起きる。こういうのは久しぶりで気分 良い。「みなさーん。後はハヤブサですよ」と叫んだところに、飛び込んでき たのは金村と非道。
「お前ら、決着や。俺の顔面潰してみろ。その前にお前のきんたま潰してたる から。てめえら、ちゃんとしたプロレスできへん。俺らのやってるプロレスと お前のプロレスは違うんじゃ」良いこと言う金村。モハはFMWや他インディ ーに出ているうちにかなり上手になったなと思うけどね。池田その他は相変わ らずだけど。やはり、きちんとしたプロレスを教えられる人がいないのがバト ラーツの弱みではないかな。

雁之助の腕ひしぎ。めったに見られるものではない大矢のバックドロップ。頭から真っ逆さま涅槃


メインイベント ハヤブサ、冬木弘道 VS 田中将斗、黒田哲広 <統一機構最強タッグリーグ公式戦>

冬木を踏みつける田中黒田の4の字固めラリアットで冬木を吹き飛ばす

 先発はハヤブサと黒田。ハヤブサが腕を取れば、黒田は首を取る。ハヤブサ が軽くソバットを入れたところ、いきなり飛び出した黒田のラリアット。代わ った田中がハヤブサの背中にサッカーボールキックを入れると、張り手合戦か ら、ハヤブサも田中の背中を蹴り返してゆく。
 冬木と田中の絡みは新鮮だ。張り合いからタックル合戦に勝った田中は冬木 を踏みつけ、チンロックへ。代わった黒田がトーキックを入れると、頭突きで 返して、ハヤブサにスウィッチする冬木。ハヤブサはギロチンドロップから、 チンロック、ネックブリーカードロップ。黒田は打撃で返し、場外にハヤブサ を連れ出すと、田中も冬木に襲いかかる。4人で南側通路での場外戦。何をや るかと思ったら、田中と黒田は互いの方向に全力疾走、中央で腕を交差させて 、元来た方向に走っての同時ラリアット。ディレクティービーの中継では、バ ロムワンラリアットと呼ばれていたが。いやあ、懐かしいね、イカゲルゲ。
 リングに戻って、田中組はハヤブサに2人同時の膝ドロップキック。黒田の 鉄柱を使った膝攻め、逆片エビ固め。ロープに逃れようとするハヤブサに田中 がエルボーを落とす。黒田、ハヤブサに4の字固め。冬木がカットに入ると、 田中も冬木を捕まえて、2人同時の4の字固めに。
 黒田の串刺しラリアット。田中に代わり、なおもハヤブサの膝を蹴り上げて、 締める。吊り天井、キャメルクラッチ、チキンウイングに取ったSTF。二人 がかりでのエルボーから、黒田はハヤブサをコーナーに逆さ吊りにして蹴り上 げ、チョップ合戦になっても、ハヤブサの膝にドロップキックを入れて、攻め 手を与えない。田中も膝へのドロップキックからマフラーホールド、弓矢固め。 一方的にやられるばかりのハヤブサ。黒田の串刺しラリアットをよけると、田 中にスクリューキックをぶち込み、さらに黒田にキックを入れて、ようやく冬 木にタッチ。
 冬木、田中と黒田に続けざまにラリアット。ラリアットでの反撃を受けるも、 2人まとめてのラリアットで吹き飛ばし、冬木スペシャルへ。カットに入らん とした田中に、ハヤブサはスワンダイブミサイルキック。この飛距離がハンパ じゃなかった! コーナーから隣のコーナーまで届いてしまったのだ。さらに ふわっと舞ったトペコン。しかし、足から客席に突っ込み、これでますます足 を痛めたか。ひどく痛がっているハヤブサ。長かった冬木スペシャルを田中が カットし、ラリアットに行こうとした冬木に2人で膝へのドロップキック。田 中の弾丸エルボーからラリアット、パワースラム。倒れた冬木に黒田のダイビ ングエルボーから田中のダイビングボディプレス。この辺ですでに冬木の消耗 は隠せないものに。黒田の急所を蹴り上げて、ハヤブサにタッチに向かうも、 歩くのがやっとという感じ。
 ハヤブサはスワンダイブニールキックからしっかり着地のケブラーダ。トペ ・アトミコ→ブファドーラ、フィッシャマンバスター、投げっぱなしタイガー スープレックス。しかし、ファイヤーバードを田中にカットされて、哲ちゃん カッターの餌食に。黒田のラリアット。ハヤブサは代わった田中を高角度ジャ ーマンで叩きつけるも、田中はすくっと立ってしまい、ウラカン・ラナを狙っ たハヤブサを捕らえて、黒田のラリアット+田中のパワーボムの合体技。去年 のハヤブサ戦で初公開した雪崩式リバースブレーンバスターも出した。しかし、 これも2で返すハヤブサ。田中の弾丸グレネード。ハヤブサは黒田をドラゴン スープレックス2連発で叩きつけるが、起きあがりこぼしのように黒田は立ち 上がり、ラリアットを入れてゆく。これも2カウント。両者KO状態。場内は 大歓声だ。
 黒田のクロスアームスープレックスが決まるも、消耗の激しい冬木はカット に入れない。ハヤブサ、黒田のラリアットも自力で返す。田中のラリアットを かわして、ジャーマン、タイガードライバーと決め、冬木にタッチ。冬木の串 刺しラリアットからハヤブサの串刺しニーアタックが田中に。そこで合体技に 行こうとしたハヤブサ組だが、冬木が田中の体を持ち上げることができない。 2回トライして、失敗してしまう。大丈夫か、冬木? 冬木はフィッシャーマ ンバスターを田中に見舞ってから、ハヤブサのアシストを受けてのスーパーパ ワーボム。地団駄ラリアット。ハヤブサのファイヤーバードに繋ぐも2カウン ト。ハヤブサはファルコンアロー。さらにフェニックススプラッシュを狙うも、 黒田に捕らえられ、黒田が肩車したハヤブサを田中がフェースクラッシャーに 決める合体技を受ける。田中組はこの新技をさらに冬木にも。黒田のジャーマ ンで投げられたハヤブサを、田中組はこれも新技の合体DDT。ここで「残り 時間3分」の場内アナウンス。
 田中のショットガンからダイヤモンドダスト。場外で伸びていた冬木がぎり ぎりでカット。ハヤブサはタイガードライバー、ファルコンアローを決めるも、 決定打にならず、ハヤブサの掌打をかわした田中がローリングエルボー。これ も2カウントで返す。両者同時にタッチ。冬木と黒田のラリアット合戦。しか し、隙をつかれて田中のローリングエルボーを受けた冬木に、黒田がラリアッ ト。これは決まったか? しかし、返した冬木。黒田のむりやりなラリアット から田中のエルボーが決まり、これも2カウントで返したところで、試合終了 のゴング。
 田中のマイク。
「おい、みんな見ただろ。ハヤブサ、冬木じゃ面白くねえんだよ。俺と黒田が 絶対優勝する。そして、冬木。お前な、ターザン後藤なんて来てやしないやな いか。ターザン後藤の名前出す前にな、俺と黒田がいるやないか。ターザン後 藤とやりたいんやったらな、俺ら倒してからやってみい。俺らな、ターザン後 藤より骨あるぞ」
 引き上げる田中達に向かい、ハヤブサもマイクを握る。
「田中、黒田。ターザン後藤の前に、お前ら、まだ俺達のこと越えてないだろ う。この肩から3つ取ったか? お前らの挑戦を受けて、次は必ず叩きつぶし てやる。勢いだけで突っ走れると思うな」
 今日はバック転はなし。良い傾向だ。ともかく大勝負でした。今日来たお客 さんのほとんどは満足しただろう。しかし、なんとも全日テイストね。

ハヤブサのトペ・アトミコこの美しいタイガーを見よ!俺達が優勝した方がおもしれえんだ!


 楽しかった。セミで雁之助組が勝っていれば、文句なかったのだが。試合後 は水道橋で大勢で飲む。ハヤブサファンの花chanさんも来られたので、ハヤ ブサに紙テープを投げる相談をする。しかし、ハヤブサの場合、色が難しいと いうか。6色用意して、その日の色を見て投げるというのが良いのかな。巻く 手間を考えると、白+赤が良いような気もするんだけど。どうでしょ。


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