
1998年11月6日 後楽園ホール FMW
第6試合 黒田哲広 VS 外道
外道のドロップキックを黒田がいなしたところから試合がスタート。黒田、
いきなりラリアット。外道は膝へのドロップキックで黒田の突進を止めて、早
くも外道クラッチ。考えてみれば、これは正反対な2人の試合。新日の小島と
並ぶラリアットプロレスの権化・黒田と大技を使わずに試合を組み立ててしま
う和製アメプロ・外道。いわばイデオロギーの戦いであり、時代を征するプロ
レスがこの1戦で決まる。(かっこばく)
外道は黒田の左腕を徹底的に攻める。脇固め。ロープを使った腕殺し。黒田
は外道の足を鉄柱に叩きつけ、「どうですかー、お客さん?」。あたた。黒田
の4の字固め。外道も裏4の字に持っていく。外道がロープに逃れても、なか
なかブレイクに応じない黒田。
外道はグラウンドの中で器用に取り返し、腕ひしぎ逆十字、仰向けの相手の
腕を持ったまま自ら回転しての腕折り、チキンウイングフェースロック、ドロップキッ
クからプランチャ。場外戦にもつれ込み、黒田はラリアットを鉄柱に誤爆。リ
ング内に戻り、コーナーに突進する外道をスライディングレッグシザーズで受
けようとした黒田。外道はそれをかわしたものの、黒田はバックを取ってのバ
ックドロップで外道を投げ捨てる。このへんは読み合い。黒田のジャーマン、
ラリアット、相手を抱っこしてそのまま前方に倒れ込む逆アバラッシュホール
ド。外道はフェースロックでしばらく黒田の動きを止めるが、突進したところ
に待っていたのは黒田のスライディングレッグシザーズ。ロープに首を引っか
ける外道。
黒田がラリアットに行ったところ、外道はかわして飛びつき十字固め。ここ
から、逆さ押さえ込み、延髄斬り、ミサイルキック、ジャーマンと外道の攻勢
が続く。続くスーパーフライは避けられて自爆。黒田は外道をコーナーポスト
に固定し、ロープを止める金具に打ち付ける哲ちゃんカッター。さらにドラゴンスープレックス。あと
はもうラリアットの乱れ打ち。ブロックされれば、回転してのフェイントラリ
アット。最後も走り込んでの一発。ラリアットプロレスをあえて追求する黒田
が7月4日名古屋で行われたミッドヘビー選手権での敵をついに討った。
試合後、TNRは黒田を勧誘にかかる。キルトを渡そうとするが、黒田はコ
マネチでおちょくり、TNR加入を拒否。渋々引き上げるTNR。良い試合だ
った。我々マニア筋では評価の辛い黒田だが、コンスタントに良
い試合をしていることも事実。何より会場での反応が現在の黒田に対するファ
ンの期待を物語っている。女性に人気があるのも羨ましいよなあ。出待ち連中
に聞いたところ、出待ちシーン(^_^;ではすでにハヤブサの人気を越えているら
しい。
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| 外道の脇固め | ロープを使った腕攻め | 黒田のドラゴンスープレックス |
第7試合 冬木弘道、中川浩二、金村ゆきひろ VS ハヤブサ、池田大輔、リッキー・フジ
<世界ストリートファイト6人タッグ選手権>
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| 金村、ハヤブサの背中をイスで殴打 | リッキーは流血 |
かつての大仁田時代には毎回行われていたストリートファイトマッチ。久し
ぶりという感じか。たまにはこういうガチャガチャした試合も良いだろう。新
生でのストリートファイトは混戦の中でも個々のキャラクターも割合生きてい
る気がする。
金村の左足には大きな補助器具。かつてテリー・ゴディやグラジがつけてい
たような物だ。そうとう足が悪そう。冬木は裸に戻っていて、肋骨の回復は順
調みたいだね。6人がコールを受け終わった瞬間に挑戦者組が襲いかかって、
大乱闘の開始。
ストリートファイトマッチは6人がいっぺんに戦うので、試合の流れなんて
追いかけていられない。目についた派手なものを見るだけ。まずは早くもハヤ
ブサが金村にラ・ケブラーダ。池田と金村がイスでのチャンバラ。相手のイス
を払い落とした池田は自分の持っているイスを使わずに捨てる。ストリートフ
ァイトマッチで、人が良すぎないか。サッカーボールキックの応酬があった後、
場外へ落ちた金村に池田はプランチャ。
リッキーと中川に順番交代。中川のパンチをガードしてはパンチを打ち込む
リッキー。アメリカンですね。リッキーも中川にトペ。リッキーのトペは体を
横に捻って背中から相手に当たる独特のかたちのものだ。場外で机に寝かされ
た池田に金村はコーナーからのダイビングプレスを見舞うが、その金村も机に
寝かされて、ハヤブサのダイビングエルボーを喰らう。リングに戻って、ハヤブサをエアプレーンスピンで回す金村。
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| リッキーの額を攻める金村 | 場外でやられて。その眼は何を思う? |
リッキーと中川の局面。ここでフォークを手にした中川にリッキーは流血。冬木が
入り、「ハハハハー」と奇声を上げて、リッキーにストンピングを打ち込む。
急所攻撃も。しばらくリッキーが捕まる展開が続く。冬木の前面ヒップアタッ
ク、パワーボムを受けて、フェニックスファンを冷や冷やさせるリッキー。中
川にカミカゼをかけられ、しかもそれが自分のカミカゼより綺麗だったりする
屈辱を受けながら、折れた机の破片での人間モグラ叩きを金村にぶち込み、窮地を脱出。いや、最近とてもリッキーさんがいい。エンターテイメントレスリングなんて、まさにリッキーさんのために始まったようなもんか。大仁田時代は落ちる一方だったのが、ディレクTV放映開始以来、いつのまにかFMWの中心的人物となったリッキー。
冬木がハヤブサに突進する。と、ビシッとすさまじい音がしたハヤブサの掌
底をカウンターで受けて、ダウン。ハヤブサは場外の金村にトペコン。この技
はいつ見てもすごい。腰を打ちそうで、見てて怖いんだけど。リッキーと池田
で抱え上げた中川めがけてハヤブサがスワンダイブからのフェースクラッシャー。これ
は豪快。池田は冬木の治りかけの脇腹を攻める。蹴ってから、コブラツイスト。
3人で順番に金村にキックを打ち込んでから、ハヤブサが金村にトゥームスト
ンパイルドライバー、珍しいパワーボム、ファイヤーバードスプラッシュ。あ
わててカットに入った冬木にもスクリューキックを見舞うが、投げっぱなしジャーマンで放り投げられる。TNR3人が順番にハヤブサに串刺しラリアット、スーパーパワーボム、そして金村のバク山。中川が池田にエクスプロイダーをかけるが、そこへリッキーがフライングボディアタックで飛び込む。先程の復讐とばかりに中川にカミカゼ。
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| 横浜に向けて火花を散らす2人 | ハヤブサの美しいトペコン |
しかし、リッキーは金村の投げっぱなしジャーマンを受けた後、冬木のラリ
アットを喰らう。続くラリアットはブロックしたものの、すぐに回転しての裏
拳が飛んできた。パワーボムで万事休す。3カウント。王者組がベルトを防衛
した。特に秀でた名勝負ではないが、本来のFMWらしいダイナミズム溢れる
試合、堪能させてもらったという感じ。
荒井社長から受け取った認定書を冬木は引きちぎる。後で聞いたところによ
ると、ベルトを返上したらしい。「大仁田の作ったベルトはいらない。俺が新
しいベルトを作る」とのこと。歴史も思い出もあるベルトなのに…と思ったが、
これは俺が思うに、ベルトの名称を変えたいんだろうな。ストリートファイト
マッチを今後引っ込めるつもりなんだろう。それはそれでよし。でも、ブラス
ナックルタッグとブラスナックルヘビーは大切にしてね。
冬木のマイク。「おーい、ハヤブサ君。FMWを変えるのは君じゃねえんだ
よ。俺達なんだよ。みんな、俺達に着いてこい!」冬木が帰った後、ハヤブサ
のマイク。「冬木、ベルトは絶対お前には渡さない。FMWは俺達フェニック
スが変える。約束します。このメンバーでベルトを獲ってみせる」FMWはヤ
ジの少ないプロレス。今日は変なヤジがほとんどなくて良かったのだが、この
時「無理だよ」とヤジを飛ばした人がいたのは残念なこと。他の団体はいざ知
らず、FMWでは観客がレスラーを立てることによって、この心地よい空間が
成り立っていることを忘れてはならない。
ハヤブサはますます膝が悪そうだ。長期欠場などもう御免。個人的には、文
体が終わったら、試合をちょこまか休んでくれても良い。まずは治してくれ。ハヤブサがいてこその
FMWだが、田中を呼び戻すこともできるし、暫定的に雁之助がエースでも良
いだろう。試合後にハヤブサがコーナー四方からトンボを切って、着地した瞬
間のしかめ面は胸が痛かった。
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| フィニッシュのパワーボム | 横浜での勝利を宣言 |
今月は横浜文体があるので、後楽園にディレクTVは入らず。いつものウザ
いスモークもないし、雁之助や薫子のギミックも全く入らなかった。伊藤豪ま
でが妙に元気なく、メインが懐かしのストリートファイト戦ということもあっ
て、ちょっと昔に戻ったような感じ。これも悪くない。試合後のホール1Fで
の立話や飲み会では評判いまひとつだった今日の大会だけど、個人的には好み。
地味で渋かったですね。
プロレスがあるたび夜が明けるまで酒を飲むというのはどんなもんだろうか。
今回は金曜日だけど、翌日に仕事がある日もそんなことしちゃったりするし。
実際、Yujiさん、土曜日出勤なのに、今日もいたりする。ま、ダメファンって
ことで、オバケさん、K☆ING、Yujiさん、首領さん、兄ィ、かどえびさん
と朝まで飲んでいた。2次会は新宿の掘りごたつな店だったので、俺は勝手に
横になって爆睡。その間、ファントム船越の話で盛り上がったらしいが、気持
の良い夢の間にいた俺の知る由もない。帰るよーて言われて、ようやく眼が覚
めた。
もう朝が寒い。冷えてはいるけど、明け方の新宿に冴えた爽やかさはない。
こういうこと書いて、プロレスにも季節感を盛り込みたいのが俺の文学プロレ
ス趣味。ま、どうでもいいや。