
1998年11月2日 後楽園ホール LLPW
今日はメモ取らない。初めて見る団体はそれがいいような気がする。技とか
忘れちゃうけど、余計なことしないでじっと見てる方が、その団体の印象がス
トレートに飛び込んでくる。
はっきり言って、期待はそんなにない。旗揚げ当初から常にJWPと比べら
れて、負の印象を負いかぶせられていた団体である。ピュアハートとは正反対。
お水な空気の伝わってくるおよそアスリートらしからぬ印象。それはL−1で
歴史的大勝を収めた今も拭い去るのは容易ではないらしい。俺の知っている女
子プロと客層が違う、雰囲気が違う(それが悪いと言うことではない)。あれ
ほどの成功を収めたL−1の直後でありながら、がらがらの客席に腰かけて、
試合開始を待つ。個人的には空いてる会場って大好きなんだけど。
第1試合 和田部美穂 VS 青野敬子
今日も幸せでした。和田部がいれば、この世界から笑いは絶えないだろう。
相手にダメージ与えられるのか?というような小さい体で飛び回り、やられて
もちゃんと元気に起きあがってくる。青野のエプロンからのトペコン式のプレ
スを受けた時はやばいかと思ったが、本人は至って元気そのもの。小さいけど、
決してお笑い系じゃない。笑いも取るけど、そこにいるのは間違いなくプロレ
スそのもので上に行くために戦うプロレスラーである。かなり押されたものの
最後は相手を後方回転エビ固めに丸め込んで勝利。試合のつながりにまだ心細
さはあるものの、楽しかったから良い。結局、今日も和田部ワールドでした。
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第2試合 立野記代 VS 佐藤めぐみ
さとめぐ、ちょっと細いかなあ。ドロップキックは相手を蹴る時に足が揃っ
てないのがちょっと。どっちにしても相手は半端じゃない人だ。その体の厚み、
決して中年太りじゃない。
さとめぐはスウィングDDTや高さのないヒップアタック、リバースインデ
ィアンデスロックなど見せるも、後半は立野の一方的ペース。吊り天井で締め
上げ、最後はジャーマン。ちょっと実力が違いすぎましたが、立野さんと当た
れることは、若い選手にとってまさしく財産でしょう。
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| リバースインディアンデスロック | 吊り天井 |
第3試合 風間ルミ VS シャーク土屋
風間ってデビューした頃から気になっていて、ある種のお水っぽさにけっこ
う惹かれている。ぷんぷくりんだけど、かわいいと思う。しかし、今日の相手
はツッチー。ここにもFMWの遺伝子。応援しないわけがないだろう。
で、結局試合はツッチーの一方的な展開。有刺鉄線スティックで叩き、チェ
ーンで殴りつけ、要所では前泊も乱入させる。風間、額から流血。1度は両者
リングアウトになったものの、風間のアピールで延長戦に突入。風間が攻勢に
出て、ブレインバスターの体勢に捉えたところで前泊が風間の腰をイスで一撃。
そのまま土屋がくるっと丸め込んで3カウントを取った。
マイク合戦。
「ごめんね。今日も勝っちゃったよ。悔しかったら、後で記者団の前で泣くんだな」
「未だに1人じゃやれないんだろう」
「悪いけど、1人ぼっちは嫌いなんだよ」
これは本当にウケた。土屋は本当に自分の仕事をよくわかっている。土屋自
身にはもはやFMW所属という意識はないかもしれないが、FMW出身者で一
番実績を上げているのはハヤブサでも田中でもなく、土屋なのかもしれない。
日本女子マットのトップである長与、アジャを倒し、赤いベルトにも挑戦した
土屋。本人は「その時の気分だよ」と言うだろうが、これからより大きな「悪
の華」を咲かせてほしいと思う。
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セミファイナル ハーレー斉藤、紅 夜叉 VS イーグル沢井、キャロル美鳥
キャロルってかっこいい。黒いへそだしタンクトップに迷彩ズボン。茶金髪
のショートカット。それに気安い笑顔。本当に安いね。安っぽい姉ちゃんの雰
囲気が何と
もたまらない。どこかの定食屋でジーパンの上に割烹着着てアルバイトしてた
ら、すごく似合いそう。今日がG・MAXとしての初の出陣だそうだが、ムリ
に悪ぶらない、素なヒール像、すごく好ましかった。ニコニコ笑いながら竹刀
を振り回す姿、生き生きしてるじゃないか。
一方、イーグルはもはや怪獣だ。単にでかいだけでは怪獣にはなれない。存
在感があり、挙動のひとつひとつがメリハリあって、わかりやすいのが怪獣と
しての条件なのである。USAゴジラが日本で不評だったのは、怪獣というも
のはプロレスでなくてはならないという原則を踏み外していたから。ミサイル
でも何でもあえて受けて、頑丈さを誇示するのが怪獣。素早く逃げ回るUSA
ゴジラはプロレスではなく、ヴァーリ・トゥードである。動きそのものに怪獣
が宿ったイーグル沢井はUSAゴジラなどよりはるかにゴジラと呼ばれるにふ
さわしい女。
で、某方面からの情報によると、この2人もともとすごく仲が良かったらし
い。敵味方に別れていた時も飲み仲間、リングでの流れ上やむを得ず決起軍で
戦っていたキャロルだが、ようやく晴れてイーグル沢井とタッグ結成なのだ。
言わば最強のパートナー。2人が楽しそうに戦っていたのもこんなとこが理由
なんだろうか。
これは大熱戦。ハーレーもイーグルの巨体にトゥームストンパイルドライバ
ーやジャーマンを決めるなど奮戦したが、今一つぱっとしない。紅がキャロル
を追い込んだものの、キャロルの裏拳でピンフォール負け。番狂わせ? いい
や、順当だろう。
個人的に今日のベストバウトである。
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| 溌剌としてます | キャロルにはエクストリームが似合う |
メインイベント 神取忍、八木淳子 VS ライオネス飛鳥、沖野小百合
歓声がひときわ高くなる。入場だけでこんなに客に期待感を抱かせられる彼
女は本当のエースだ。男である自分が「しびれた!」と思うほど神取はカッコ
いい。対するはライオネス。相手に不足はない。すでに何度か実現した対決な
のかもしれないが、女子プロに詳しくない自分にとっては初物。この2人の絡
みに緊張するほど期待したのだが。
思ったほど真っ正面から当たらない2人。今日の試合が八木淳子教育マッチ
であることを考えれば、それも納得できる。体が大きく、パワーがあり、動き
もシャープな八木は恐るべき逸材。沖野を高々と抱え上げたパワーボムなど、
新人らしからぬ安定感である。裁龍軍は神取を固定し、その間に全員で八木を
潰しにかかる。乱入し放題。神取が回転スリーパーで沖野を振り回し、大歓声
を浴びる瞬間などもあったのだが、土屋が、イーグルが、八木を集中攻撃。さ
すがにこうなっては、潰れるのは時間の問題だった。
粘りに粘って客席を湧かせた八木だが、試合巧者の沖野に前方回転エビ固め
に取られると、意表を突かれてそのまま3カウント。神取は男らしく余計なこ
とを言わずに、ただ一言セコンドを叱咤して引き上げていった。
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| やりたい放題 | 神取の十八番 | このパワーボム |
面白かった! 今まで見た女子団体の中では最高の出来ではないか。よしさ
んも「いやあ、面白かったですわ」。神取ひとりの実力が突出していることが
LLPWの面白くないところだと勝手に思いこんでいたのだが、そんなことは
なかった。絶対的なエース神取とそれに斜めに切り込んでいく沢井の関係は、
一時期のWAR天龍と冬木のよう。
これだったら、また見に行っていいな。試合後、プロレス素人さん、よしさ
ん、宮田さん、ぷいやぁさんとニュートーキョーで飲む。風邪ひいて喉が痛い。