1998年8月24日 北沢タウンホール  Jd’


 入ったら、あまりにガラガラなんで、ちっと驚いた。150人くらいか。こ の前ここで見た革真浪士団よりも少ないくらいである。ファン層は明らかにマ ニア。濃い奴のための贅沢なプロレスというわけ。
 試合が始まっても、会場の照明はつけっぱなし。これが緊張感によけい水を 差したような気がしなくもない。


武藤 VS 神田<エキシビジョンマッチ>

 若手同士のエキシビジョン。自分から見ると、本当に子供みたいな奴が戦ってるのは考えてみ るとすごいことだ。神田のドロップキックは伸びがあって、綺麗。武藤は体 は大きいが、ドロップキックはダメ。時間切れ引き分け。

 選手入場式。阿部幸江が挨拶。笑ってしまって、とちりっ放しである。はっ きり言って、こいつ人前で演じることに緊張感なさ過ぎ。この性格は後の試合 でも存分に発揮された。大物というか、やる気がないというか…。


第1試合 おばっち飯塚 VS 藤原和子

 チラシを配りながら入場のオバッチ。大根の入った買い物かごが揺れる。そ の様子、どこにでもいる普通の主婦である。彼女がこれからリングに上がって 命がけの戦いをするなどと、この会場にいる何人の人間が予想したことか。
 大根で殴りかかった藤原。大根の扱いにおいては一日の長があるおばっちは キックで受け止める。大根が砕けて、リング上に瞬間の白い花が咲く。
 大根はこうやって使うの。そう言うかのようにおばっちは大根で藤原の頭を 一撃。大根に対する愛が感じられる。キャメルクラッチをかけながら、藤原の 鼻を洗濯ばさみで挟む。しかし、藤原の鼻が低すぎたようで、うまく挟まらな い。今度はストッキング。これで、藤原の顔を包んでしまう。日常生活のもの を凶器に転用するあたり、主婦らしい暮らしの知恵が感じられるところ。
 藤原はドロップキック4発。前にもこの会場で中野千陽呂相手に見せていた 危なっかしいショルダースルー。変形のノーザンライトスープレックスから、 フライングボディプレス。もう一回スープレックスを見舞ったところ、おばっ ちは小麦粉を相手にぶっかけた。食べ物を粗末にするのは主婦としていかがな もんだろう。
 おばっち、山崎直彦(*)ばりのフライングクロスチョップ3発。ミサイル キック、雷電ドロップのようなヒッププレスとつないで、最後はコーナーから 体を捻ってのボディプレスでピン。

一見、普通の主婦(かなあ?)だけど、プロレスしちゃう

*【山崎直彦】FMW所属のプロレスラー。フライングクロスチョップの第一 人者。広い額が特徴。映画「マーズアタック」の宇宙人に似る。山崎隊と呼ば れる熱狂的ファンを持つ。


第2試合 ファング鈴木 VS エチセラ

 個人的基準では好みではないエチセラ。そんなことはどうでもいい。ファン グの方はシャーク風のペイント。イス攻撃、スワンダイブからのミサイルキッ クで先手を取ったエチセラ。しかし、パワーに勝るファングがリードを取り返 す。胴締めスリーパー。
 エチはドロップキック。2発目は避けられるも、ヒップアタックを見舞う。 ファングの風車式バックブリーカー。もう1回。さらにもう1回と来たところ、 エチ、丸め込んで返す。エチの首4の字。イス攻撃。ファングをイスの上に固 定し、飛んだところ自爆。ファングは棒を持ち出して、ロープに振ったエチを カウンターでの一撃。ここでヒール同士の場外乱闘だ。階段席を上がってきて、エチを叩 きつけるファング。
 リングに戻り、ファングは喉輪落とし、チェーンを使った喉輪落とし、さら に喉輪落とし。回転式スリーパーの後、スリーパーホールドでギブアップ。フ ァング鈴木の勝ち。試合後、裁龍軍同士ということでがっちりと握手。

 ここでお笑い選手件とやら。2チームによる即興コント。問題「体の臭そう なレスラーは?」答「本田多聞」「鶴見五郎」本田多聞が勝ちました。鶴見五 郎だと俺は思うけどなー。

エチ回転式スリーパー


第3試合 李由紀 VS 藪下めぐみ

 どうして、この団体にはシャープな顔だちの選手がいないのか。みんな揃い も揃って、埴輪系である。
 李のキックはなかなかの重さ。どすんという音でヤブの体に食い込む。李の ブレインバスター、カナディアンバックブリーカー。ヤブはワキ固めで応戦。 李に4の字固めを決められると、爪先を噛んで、脱出しようとする。それは2 重の意味で汚いぞ。
 ヤブ、攻勢。腕ひしぎ逆十字固めに行こうとするも、李は腕をホールド。ヤ ブ、ミサイルキック2発。これが必殺、雪崩式腕ひしぎ。雪崩式ローリングク ラッチも見せる。李、首4の字、チキンウィング。ヤブ、逆片エビ固め。
 まだまだ地力に優る李はキックの嵐で挽回。ヤブもフライングボディアタッ ク、腕ひしぎなど見せるも、頭にキックをもらい、ジャーマンから踵落としで 李の勝利。

ヤブ!ヤブ!


セミファイナル 小杉夕子、阿部幸江 VS 脇澤美穂、豊田紀子

 まず驚いたのは阿部が全然ダメなこと。そういや冬木軍の後楽園で見た時も 阿部が一番ダメだった気がする。技のミスを連発。何していいかわからなくて、 棒立ちになってしまうシーンも。しかし、阿部にはそれを補ってあまりある大 きな長所がある。それはなんといっても顔がかわいいことだ。顔ですべて許す。 許しちゃっていいのか?
 全女の選手はJd’と比べてひと味違う感じ。特に脇澤だが、気迫が表面に 出る。しかし、今日は会場の雰囲気もあるのか、彼女にも前回見たときほどの 魅力を感じない。ちなみに脇澤って顔に似合わぬドスのきいた声だ。
 阿部のローリング首4の時が豊田に。首4の時というと休むための技という イメージだが、これは動きあっていいね。と、思っていたら脇澤も同じ技を。 数人の観客が回した数を数えるが、2回ではずれてしまう。
 小杉が脇澤をキャメル・クラッチに捉えると、脇澤の顔へ阿部がドロップキ ック。阿部はフライング・ボディアタックからインディアン・デスロックに行 くが、フックの仕方を間違えて、決まらない。お前な〜、練習してから使えっ て。阿部が冬木ばりの前面ヒップアタック4発。脇澤はフィッシャーマンズス ープレックスを見舞い、阿部を肩車したところに、豊田がミサイルキックのツ ープラトン攻撃。Jd’勢の同士討ちを誘って、脇澤は場外の2人にコーナー からプランチャ。阿部を捕らえ、フィッシャーマンバスター。
 1進1退の攻防も阿部が豊田にミサイルキックを打ち込み、最後は小杉のダ イビングフットスタンプ。3カウントをとられた豊田はダメージが大きく、立 ち上がれない。脇澤が2人に突っかかってゆく。
 勝ったのはJd’側だが、レスラーとしての完成度では全女勢だろうか。今 日見たとこでは、そんな感じかな。

オルレアン番長


メインイベント ブラディー VS 坂井澄江<TWFジュニア選手権>

「こむずかしいこと言わないで♪」というような、どうでもいいような曲で入 場の坂井。顔が痩せていて、面長。いわゆるうまづらである。
「さかい〜」「ブラディ〜」と寂しい応援合戦。しょぱなから、裁龍軍が乱入 し、坂井を袋叩き。それが終わると正規軍も乱入し、ブラディーをフクロ。ロ ープに坂井を固定し、顔を踏みつけるブラディー。坂井もやり返す。なんかす げータイトルマッチだぞ。
 ブラディーは鎖を使った攻撃の後、トペ。場外に横たわる坂井にセントーン。 中に戻って、ブレインバスター。坂井のスタンディングアキレス腱固め。ブラ ディーの膝十字固め。坂井がプランチャを決めると、場外で両軍大乱闘だ。
 坂井はバックドロップホールド2発。なんとか返したブラディー。イス攻撃 をドロップキックで防がれる場面もあったものの、ファングの度重なる乱入で 優位に立つ。坂井の頭にイスを投げつける。たくさんのイスをリング内に投げ 入れる裁龍軍。なんとJd’でW★INGが見られるとは…。イスの上に坂井 を乗せて、ダイビングセントーン! 坂井の背中へミサイルキック、裏投げ、 坂井が仕掛けたバックドロップも空中で切り返し、坂井を追いつめる。
 坂井はブラディーの足を取ってスタンディングアキレス(っていうのかな? )。これが得意技なのか。ムーンサルトプレスは完璧に相手を飛び越えて、手 だけが軽く当たる。ファングが乱入し、イスを振りかざすも、ブラディーと同 士討ち。
 コーナーに上る坂井を捕らえたブラディーはロープ1段目からのジャーマン。 裁龍軍が乱入し、机をリング内に持ち込む。なんとJd’でECWが見られる とは…。坂井を机に寝かせ、ダイビングセントーン。机が綺麗に折れた。また イス攻撃。投げっぱなしジャーマン。しかし、ダイビングセントーンは自爆。 坂井が雪崩式フランケンシュタイナーを決めると、わりとあっさり3カウント。
 ブラディーは坂井にビンタ。勝った坂井は余裕たっぷりで、両手を上げてア ピール。一応、ハッピーエンド?

ブラディ〜さかい〜これが得意技

 はっきり言って、全体的にきつかった。技のミスがやたら目立ち、動きにキ レが感じられなかった。多くのマニアがはまっている団体だから、見続けてい れば、きっと何かある。今後に期待しよう。


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