1998年8月11日後楽園ホール 大仁田厚主催興行
後楽園が立ち見件まで完売するとはびっくり。文句なしの超満員札止め。現
に、K★INGや大山ANZAさんは会場まで来ながら、入れなかったのだ。
ダフ屋は2万円の値段を付けていたという。後で売り上げがこんなに伸びると
は予期しなかったんだろう。早いうちに招待券を撒き過ぎたらしい。もったい
ないことを。
グッズ売場もリングもFMW。流れる音楽まで。これはどう見ても、FMW
だぞ。ただ、客層は少しいつもと違う感じがする。ともよしさんと話している
と、外道人形を抱えた女性の姿が眼に。○ゃみじゃみさんと砂○タさん、ぴ○
やまさんのようだ。挨拶させていただいた。○ゃみじゃみさんの名刺は実に素
晴らしい。邪外もこれほど愛されれば本望ってやつだ。>よくわからん。
第1試合 エル・パンディータ VS マジックマン
曲を聴くだけで、パンディータかいとわかる。しかし、対戦相手は驚きのマ
ジックマン。チーム・フェニックスは出ないということで、むりやり選手をか
き集めてきたな…。チーム・フェニックス(ハヤブサ&リッキー)と大仁田の
関係はやはりケーフェイ入っているんだろうか。全日ファンを装った某W★I
NGフリークスに聞いたところ、酔っぱらったハヤブサの言葉「あれって引退
試合だったんですか?」。さらに締めの「1、2の3、ファイヤー!」に対す
る露骨な嫌悪の表情。本当に統轄機構FMW、うまくいくんだろうか。大仁田
軍が黒田や佐々木をメインに据えていけば、フェニックスとも絡めるんだろう
が。
って、試合と離れた話になったが、書くこともないでしょ。(^_^;いつものマ
ジックマンの試合だとしか言いようがないです。しかし、川崎でも思ったんだ
が、黄色いハンカチが突然金属の棒に変わるのはどうやってるんだろうか?
「早く試合やれー」なんて言う人もいましたが、手品も人を驚かせられるもの
は尊敬するしかないです。不器用な私には到底できないことで…。
第2試合 超電戦士バトレンジャー VS 外道
あ、と声が出そうなテーマ曲が場内に流れた。信じられないよ! あのバト
レンジャーが登場! 周りの客が「本当に上野かな?」とつぶやく。本物に決
まっているだろう。あの仕草、体つきなど、すべてバトレンジャーだ。懐かし
い。でも、嬉しいとは言えない。WAR時代の彼も会場やビデオで何度か見て
いる。はっきり言って、バトレンジャーは昔と何も変わっていない。進
歩していない。なのになぜ今更。そういう気持が強い。
ロープワークからバトのドロップキック。さらにトラースキック。しかし、
場外に連れ出され、外道ペースになる。客席に叩き込まれ、リング内に戻って
は、外道のブレインバスター、さらにグラウンドでのヘッドロックで動きを止
められる。やられるままのバト。覆面まで剥がれる屈辱。一人で思いつめなが
ら戦うところは今も変わっていない。
しかし、外道のラリアットをよけて、飛びついてのDDTを決める。
場外の外道にラ・ケブラーダ。ハヤブサのいるリングで、それは厳しいぞ。コ
ーナーにつめての串刺しニールキック、雪崩式フランケンシュタイナー、みち
ドラ2。外道のムーンサルトはヒザを立てて防ぎ、チンクラッシャー、腕ひし
ぎ逆十字と攻める。
2人の息が合わないところもあったが、外道がパワースラムからスーパーフ
ライとつないであっけなくフォール。出した技はバトの方が多いが、外道の完
勝である。考えていたとおり、バトは何も変わっていない。いったい、今まで
何を考え、他団体で戦ってきたのだろう。
以下は俺の勝手な妄想なので、それと踏まえて読んでほしいのだが。バトレ
ンジャーが復帰すること自体に大仁田的なものが感じられるのだ。
大仁田のFMWに対する考えは極端に言えば「大仁田厚&それ以外」だろう。
実際、大仁田時代のFMWはメインディッシュは大仁田一人であり、他の選手
はすべてつけあわせだった。現実に大仁田1人が観客を満足させていたのだか
ら、大仁田がそうした感覚を持つのは至極当然であり、少しも罪ではない。大
仁田1人がいればいいのだから、他の選手については多少しょっぱくても、看
過されてきた。そのような状況で、何もできない頃の五所川原吾作がメインに
出たりした。
大仁田にしてみれば、最初の付け人が困っているのだから、助けてやろうっ
てもんか。「自分の子が困っている時、お前らは黙ってられるか! 俺はでき
んのじゃあ!」とでも付け加えたいとこだ。FMWが一番苦しい時期に勝手に
悩んで辞めていったバトレンジャー。リング上のファイトにしても何の進歩も
なく、FMWのセールスに貢献できるとは思えない選手をハヤブサが受け入れ
るとは思いがたいのだが。要するに、俺の勝手な妄想ではバトの復帰は大仁田
の一存で決められたものに違いないと思えるのである。
バトレンジャー自身に罪はない。FMWに復帰するなら、やっていけばいい
し、マニアのこういう穿った見方を覆すだけのものを見せてほしいと思う。本
人は相変わらず悩みながら戦うという独自のスタイルを崩していないようだが、
レスラーとして最低中の最低の評価しか受けていないバトにいったい今更何を
悩むことがあるか。ライガーへの憧れもわかる。しかし、ライガーの粗悪なコ
ピーで満足するのでないなら、ハヤブサとカブる空中殺法も捨て、新しい上野
幸秀を見せてもらいたい。カッコつけても、カッコ悪いんだから。よく言う言
葉だけど、開き直り。それが上野に一番求められているものなんではないの?
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| 帰ってきました | 正体は上野だった>ベタ | 懸命なんだけど・・ |
第3試合 邪道 VS 非道
最低の試合。周りの客の「寒い」「眠いね」という声の中、意味もなくだら
だらと…。
以前、金村バッシングがインターネットで盛り上がった時があった。あの裏
には、地方興行で手を抜きまくる金村の姿があったわけなんだが、邪外や非道
あたりにも同じことを感じる時がある。ハヤブサや田中が地方でも後楽園と変
わらぬ全力ファイトを戦う横で、明らかにやる気のない試合をしているように
感じられるのだが。キャラクター云々で済む問題ではないはず。
今日は後楽園でもこの程度の試合。邪道はともかく、胸を借りる立場の非道
に気迫が微塵も感じられないのはいったいどうしたことか。一時諦めていた非
道だが、最近少し良くなったかなと思うと、またその位置に甘んじようとして
いる。結局、やる気がないということか。邪道にしても、自分がそこそこのレ
スラーになったつもりで、余裕かましてこんな試合をしているなら、とんだ勘
違い。ともかく、表情も何もない、こなしただけの試合。俺的にはまったく評
価できないな。
最後は非道のラリアット2連発を受け止め、カウンターのウェスタンラリア
ットで邪道が勝ちました。
セミファイナル 黒田哲広 VS 保坂秀樹
これは保坂が勝てば現役復帰が認められる試合。となれば、保坂が勝つだろ
うという前提で多くの客は見ているわけである。問題はそこまで持っていく過
程。もはやレスラーとしてのポテンシャルでは黒田に大きな差をつけられてい
る保坂が説得力のある勝ちをおさめるのは生半可ではない。
いきなりラリアットをぶち込んだ黒田。保坂、場外へ吹っ飛ぶ。やっとのこ
とで戻ってきても、やられるばかりである。チョップを叩き込まれ、倒れては
蹴られる。相手である黒田に檄を入れられながらも、動けない保坂。保坂のふ
がいなさに観客達もイライラし始める。黒田は畳みかける。逆片エビ固め、4
の字固め、ラリアット、かわず落とし、ノーザンライトスープレックス、ダイ
ビングエルボー。
客席にもうダメだという空気が流れ始めた頃、保坂はカウンターのフランケ
ンシュタイナーで反撃。スパインバスター、マウンテンボム。黒田はスライデ
ィングレッグシザーズで保坂の頭をコーナーに打ち付け、投げっぱなしジャー
マン。ラリアット連発では、さすがにひやひやする。今にもとられてしまいそ
うな保坂。しかし、黒田の回転ラリアットにも耐える。「立てー!!」黒田は
保坂にまたがって、檄を飛ばし続ける。この時点で、すでに黒田に完全に負け
ている保坂。しかし、黒田のラリアットを腕で受け止め、ラリアット
で反撃。新日の選手のように胸を突きだして、あえて受ける黒田。ずり落ちる
土方ズボンをやや気にしながらも重いラリアット連発で保坂が黒田をフォール。
ぎりぎりOKだろう。今までバカにしていた周りの一見さんたちがこの試合
から真剣に見入っていたからね。本当に強いのはどっちか、みんなわかったは
ずだ。会場の雰囲気がだれていても、それを自分のファイトで引き締めるだけ
の力が付いてきた黒田。ECWで躍進している田中に負けないよう、ますます
の精進を望みたいところ。保坂についても、一時良くなる兆候が見えていた。
保坂の問題というのは、生まれ持った優れた運動能力を生かせないセンス、気
力のなさ。今日の勝利を復活ストーリーの単なる副産物としないようにしても
らいたいもんだ。
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| 立てー! | 技も綺麗で動きもいい。保坂に足りないものは? |
第6試合
| 大仁田厚 | 冬木弘道 | |
| ミスター・ポーゴ | VS | 中川浩二 |
| 佐々木葦則 | 金村ゆきひろ | |
| 荒井正一 | 伊藤豪 |
この試合については、試合後の飲み会で交わされたセリフから。
「良くも悪くもあの頃のまま」
「こういうことをやっていても、大日本には勝てない」
「もういいかな。たまにならいいけど、いつもは見たくない」
こういったセリフがすべてを表していると思う。試合は素晴らしかった。け
れど、「またいつもの」を見せられたという感じがしたのも事実。場外で暴れ
回り、灯油缶でぶっ叩けば、客が湧くのは当たり前。それをそのまま客の支持
と取り違えてはならない。W★INGが常に熱い会場の空気の中で潰れていっ
たことを教訓にしなければ。
大仁田のここ一番での持っていく力は言うまでもないが、この試合でなんと
も目を引いたのは伊藤豪の素晴らしいセンス。ポーゴに決めたニールキックや
コルバタは実に美しかった。もちろんレスラー相手にダメージはまったく与
えられなかったが、ハヤブサ並の体のバネである(おおげさ)。超期待の新人
登場ってとこか? 金村とツープラトンのスウィート・ティン・ミュージック
(回し蹴り)や冬木のアシストを受けたファンタスティック・フリップなども
決め、いつのまにか会場の空気を完全に持っていってしまっていたほどだ。暇
さえあればコーナーに上り、怒っている観客を煽る、煽る。ついには場外への
プランチャ。長い間レフェリーに甘んじながら、本当は自分でやりたかったん
だね。伊藤豪に関してはこの試合で特筆すべきおいしい部分だったことを認め
なければならない。
それに対応するかたちで荒井社長の不器用さも何とも美しかった。本当に何
もできない。TNRに灯油缶で叩かれ、ノされる一方である。でも、それが荒
井社長なりのレスラーに対する敬意なんだとみんなわかっている。プロレスの
技なんかフィニッシュ以外何も出さなかった。でも、それでいい。今回のこと
で逆に荒井社長の誠実さが我々の心に刻まれたんだから。荒井社長の反撃はほ
んのわずかだけ。竹刀で伊藤豪のケツをぶっ叩く姿に場内は炸裂。やはり経営
者たるものダメ社員には厳しくしてやらねば。
大仁田軍は荒井社長以外全員が流血。特にポーゴの流血はひどい。赤いペン
キをかぶったようである。劣勢の状況の中、大仁田が伊藤豪を捕らえて、サン
ダーファイヤー。これで勝負あったが、さらに荒井社長が走り込んでのボディ
プレスを決めて、そのまま3カウント。場内大爆発。マットバンバンが始まる。
俺は少し引いた場所でそれを眺めていた。
猿ぐつわを噛まされ、後ろ手に縛られた黒田が保坂と入ってくる。そのまま
の姿でTNR勢にドロップキック。大仁田軍に復帰ということか。黒田はハヤ
ブサ、田中、雁之助と並んで今のFMWで心おきなく支持できる選手。かなり
多くの観客が大仁田より黒田に群がったのはそうした気持の表れなんだろう。
大仁田軍の参戦は認めるとしても、黒田が大仁田を押し退けられるだけの選手
となれるかどうかで、このチームの性格も決定づけられるのだ。大仁田&それ
以外なのか、今後に繋がるチームとなり得るのか。
ともかく、俺個人としての感想としては、これは3年くらい前までもうさん
ざん見たよという感じ。ただ、レスラー伊藤豪だけは必見だったかもね。ちな
みにTNRの入場テーマ曲はなぜかRCサクセションの「自由」。我々の世代
には感じるものがある曲だ。
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| 最初で最後のリング | プレミアム豪 |
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| 迫る冬木。大仁田が救出に向かう | 中川、ためらいなし |
「ハヤブサの出ないFMWはFMWじゃない!」
こう断言した俺にともよしさんはさらっと「だからFMWじゃないんだって
ば」。あれ? 大仁田厚主催興行だっけか。だったら、ZENのリングでも使
えばいいのにさ。あの黒いカバー、もう売っちゃたの?
FMWに行くたびに試合後の飲み会の人数が増えてゆく。今日は11名。オ
バケさんやヒロケンさんから、この前のハヤブサ&リッキー&オーケンの話を
聞く。実に意味のあるトークショーだったようだ。スライドを使ったアーリー
FMWの話もてんこもりだったということである。行けばよかったよ。
今日、改めて思ったが、大仁田はどうしてもプロレス界で生きていきたいん
だな。まさか今更ハヤブサを抜こうというつもりはないでしょとTさんは言う
し、俺もそう思っていたから、大仁田OKという立場だったんだけど。以前、
大仁田に怒るOさんに大仁田が馬場さん化するなら別に良いじゃないですかな
んてやりとりをネット上でしたこともあった。けれど、俺自身がだんだん確信
が持てなくなってきたんだよね。
大仁田は強引にでも、FMWをひっくり返してでも、引きずるんではないか
? あの人は本当に自分1人が目立つことしか考えてないもの。大仁田復活試
合はそれ以上にポーゴ引退試合だったはず。ポーゴの引退をダシにして、1試
合だけの復活だったんだよね。見た人ならわかるけど、ポーゴの最後(だった
はず)の舞台で大仁田はすべて持っていってしまった。それも力技にまかせた
強引な方法で。弟子であり、FMWを支えるハヤブサや田中相手にもいざとな
れば同じなんだろう。水戸大会のメインがハヤブサではなく、大仁田だった時
から、俺は警戒している。大仁田がレスラーとして天才であり、同時に人間と
して実にタフで狡猾だということを知っているからこそ。
【追記】試合から1日たって各掲示板を覗き、まったく仰天した。みんな、あ の試合がそんなに良かったのか? ヒロケンさん、どうやら僕らは昔FMWを 見過ぎたんだろう。ファンが一回りしたのか? 僕らはすっかりあれには飽き ているんだが、今のファンには新鮮なもののようだ。つくづく大仁田、侮りが たしである。存在感をかけた時期シリーズ以降の戦い、まったくもって油断な らなくなった。チーム・フェニックスの最強の敵はTNRではなく、大仁田厚 である。