
1998年5月21日 後楽園ホール インディ活性化委員会
ロビーでは各団体が売店を設置。各団体のTシャツなど売っている。メビウ
スの売店では、なんとサソリやカエルも売っていたりする。そして、また女の
子がサソリを1500円で買っていたりするから、驚く。折原のペットショッ
プの商品なんだろうが、なにもプロレス会場で…。このサソリは無毒だという
ことだが、まさかデスマッチで使われたサソリはこいつじゃあるまいね?
自由席2000円という安い入場料もあって、客はよく入っている方だ。翌
日の新聞では、「入場者数2000人(満員:主催者発表)」になるな。と、
思っていたら、翌日の新聞は「入場者数1200人」。もっと入っていたよう
に思えるけど、実数か? 謙虚すぎるぞ、イン活。こういうところからインデ
ィの悪癖を変えていこうというのか。この半分の入りで2000人発表した団
体もかつてあったもんな。チケットの料金といい、なかなか良心的だ。特リン
1万円というのはわけがわからないが、そこもかなり埋まっていたりする。実
券の人もけっこういるのかな。一部の選手はともかく、WWFを席巻中(大げ
さ?)の海援隊を間近に見られることを思えば、必ずしもふざけた料金とは言
えないものかもしれない。しかし、こっちに来ちゃうということはみちプロと
は完全に切れちゃったんだろうか? みちプロの事情については、あまり詳し
くないので。
第1試合 山下義也 VS 木藤裕次
時間切れ引き分け。5分1本勝負だから、まあ当たり前。ヤジるために来て いるような客多し。
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第2試合 松田慶三 VS 新岩大樹
新岩のドロップキックを受けても、まったく効かない様子の松田。先輩だと いうことを強調しているらしい。松田が終了間際にラリアット2連発で勝った。
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第3試合 ペルセウス VS ファントム船越
ペルセウスはドロップキックが綺麗。相手を蹴った後、半回転して腹から着 地する。最後はペルセウスがかわず掛けを決めたところでタイムアップ。引き 分け。
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第4試合 江川英知 VS 佐藤竜騎士
リングス、FMWの練習生だった佐藤、キックが綺麗である。江川は佐藤の ヒザへドロップキックを入れ、ジャーマンを仕掛けるも、佐藤もジャーマンで 対抗。江川がラリアットで佐藤の動きを止め、わけのわからないホールドにい ったところでタイムアップ、引き分け。
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第5試合 ターザン後藤 VS チェーン・ソー・チャーリー
この試合を見に来た。「スピニング・トー・ホールド」がかかるが、すぐに
テーマが変わる。これがチェーン・ソー・チャーリーのテーマ曲なのか。
試合開始後、すぐに場外大乱闘。ド・インディーのファンから、4月5日を
よほど根に持っているのかジャスココールが起きる。リングサイドで後藤めが
けてイスを投げつけるチャーリー。それをイスで払い落とす後藤。それがしば
らく続く。野原で父と子がバッティング練習をしている光景のようだ。リング
内に戻っては、後藤がチャーリーに掟破りの(死語)スピニング・トー・ホー
ルドをかける。しかし、蹴られて、背中から有刺鉄線ボードへ。しかし、この
有刺鉄線ボード、恐ろしくへにゃへにゃ。後藤が持ち上げると、くにゃんとし
てしまう。チャーリーはリング下の後藤に有刺鉄線ボードを積み重ね、その上
に飛び乗る荒っぽい攻撃。後藤はビール瓶を鉄柱で割って、その破片でチャー
リーの額を切り刻む。なんとレフェリーにも有刺鉄線ボードを投げつけ、前後
不覚の大暴れである。
ここでキニョネスに率いられた海援隊乱入。トーゴーと新山がもみ合う。
この2人、実はFMWで同期だったのである。試合結果はNC。試合終了後も
後藤は海援隊のマネージャー山口を捕まえ、パワーボムでKO。全日とうまく
いっていないと噂されるWWFは提携先を全日から革真浪士団に変えるつもり
なのか。この団体をも視野に入れているとは、WWF、さすがの綿密なリサー
チ。WWF対革真浪士団。夢のカードがたくさん組めそうだ。(^-^;
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第6試合 新山勝利 VS 青柳政司
2人とも俺の好きな選手である。場外での蹴りを鉄柱に自爆し、足を痛めた 青柳。新山はその痛めた箇所をフロントデスロックなどで攻めまくる。しかし、 最後は青柳が新山を蹴りから丸め込んだ。なんと新山、裏投げもノーザンも出 せず。

第7試合 グラン浜田、リンゴ・メンドーサ、月岡 VS 狼忍、アジアン・クーガ、グレート・タケル
狼忍が張り切りすぎたのか、狼忍組の他の2人はあまり出番なし。リンゴは きわめて会場人気が高い。リンゴコールがひっきりなしに起きる。最後はベテ ラン浜田がスウィングDDT、雪崩式フランケンシュタイナー、バックドロッ プとたたみかけて狼忍を仕留めた。会場にはアルシオンに入団した娘の文子さ んも来ていた。

第8試合 ザ・グレート・カブキ VS 死神
死神、改めてでかい。公称185pのカブキより5pは高い。キャラクター
を貫く姿勢もなかなか立派である。意外や意外、死神がクロー攻撃やクロー+
裏投げでカブキを圧倒したが、ニードロップの自爆がアダになり、カブキがニ
ークラッシャーを連発して、死神の動きを止める。バックドロップからラリア
ット2発で何とかカブキが勝った。
死神、マイクを手にがなる。
「カブキ、まけてねえぞ。3カウント入ったのは勘違いだ。IWAがなんだ、
このやろー。うるせー、バカヤロー、俺の本当の強さはレッスル夢ファクトリ
ーで見れるぞ」
要するに、夢ファクの宣伝だったようだ。
セミファイナル 鶴見五郎、アポロ菅原 VS デビル、サモワン・ブルドック
この試合を見て、思わず泣いてしまった。プロレスを見て泣いたのは初めて
ではない。しかし、笑い過ぎて泣いたのは初めてなんである。
言っておくが、こいつらの芸がそれほど素晴らしいとか言ってるんではない。
それどころか、はっきり言って、最低だ。カス中のカスだ。デビルの肩笑いだの、
3人くるくる回っての入れ替わりだのは身内的観客だけが盛り上がるためのベタ
ベタなギャグ。到底、金を払って見たいものではない。
では、何がそんなにおかしかったかというと、サモワン・ブルドック選手だ。
俺は古典落語が好きなんだが、落語家として聴衆を笑わせるために大切なこ
とは、決して自分自身が笑わないことである。語り手自らが笑ってしまい、相
手に同調を求めるのは低級な笑いだ。落語の名人と呼ばれる人ほど、真面目に、
時には深刻なまでの表情で語る。人を笑わせる人間はある意味、天然ボケであ
る必要がある。
で、このサモワン、素晴らしい勘違いぶりなのだ。本人は観客を笑わせよう
なんてつもり、たぶんないないだろう。到底真剣ではないにしても、それなり
に仕事としてのプロレスをやっているつもりなんだろうが…、これはひどすぎ
る! あまりにもひどい! こんなひどいプロレスをおふざけでなくやってし
まうこの男、どうして笑わずにいられるだろうか!
この男、ルックスはなかなかレスラーらしいのである。ちょっと(かなり)
たるんでいるものの、分厚い肉に包まれた体。怪しげな坊主頭。ご丁寧に、全
身に大きな入れ墨まで。昔の国際プロレスによく来日したB級レスラーという
感じだ。確かに見かけだけでもかなりいかがわしいが、そんなことはいい。問
題はすべてそのファイト内容にあるのだ。
鶴見に反対側のコーナーに振られる時も嫌がるのだが,それが力を尽くして
ふんばるなんて立派なものではない。ただロープを握り、「面倒くさいから、
やだよ」という感じでコーナーポストにもたれかかっているだけ。相手にロー
プに振られる。やれやれというようにもたもた走っていき、ロープに到着する
と、いったん停止する。妙な間を空けて、跳ね返ってくる。その一工程だけで
我々観客はすでに死んでいる。極め付きは、これだ。コーナーポストに昇った
デビル、サモワンにツープラトン攻撃を促す。人にものを頼むときは相手を見
てから言え。のっそり近寄ったサモワン、デビルを持ち上げる。しかし、普通
だったら、相手の上にボディプレスで投げるというところだが、寝ている相手
など誰もいないのだ。さて、どうする?
サモワンはまったく躊躇しない様子で、立っている鶴見の足元へデビルを無
造作に投げつけた。デビルの足が鶴見の足に軽く当たったくらい。これでは鶴
見も倒れるわけにいかず、何をすることもできずに茫然と立ち尽くしているだ
け。足元には哀しそうな様子で仰向けに倒れているデビル。場内は悲鳴のよう
な笑い声に包まれた。
最後はデビルが鶴見を番狂わせのフォール。青柳が乱入し、鶴見とマイクで
やり合う。しかし、そんなことはもはやどうでもいい。プロレス者が世間に対
し武装したあらゆるプロレス擁護の論理を一気に崩壊させてしまうほどの存在、
サモワン・ブルドック。このカードがある意味で(あくまで「ある意味で」)
メインを食ってしまったのはまったく驚きだ。非常にインパクトのある試合だ
ったと言える。
メインイベント トウゴー、テイオー、ショー VS 月光、Z−P、パロミノ
女性ファンの圧倒的な声援を受けて、海援隊登場。本格的なタッグ屋なので、
チームワークが良い。クイックタッチで、メビウス軍を攻める。対するメビウ
ス。注目の選手はパロミノである。この選手には1月のDDT昭島大会でも驚
かされたが、今日はさらに強い印象を受けた。相手の頭を飛び越えそうなフラ
ンケンシュタイナー。体のバネがすごい。弱小インディーの中では空中殺法に
かけては随一ではないか。この日はアジアン・クーガーやグレート・タケルな
ど空中殺法の使い手が何人か登場したが、飛行フォームの美しさや空中でのノ
ビなど見ても、このパロミノが頭一つ抜けていた印象が強い。
同じメビウス軍ながら、Z−Pの方はどうもピリッとしない。海援隊に捕ま
り、東郷のムーンサルト、STFで攻められ、エプロンで後頭部ギロチンや頭
へのキックなどで袋叩きにされる。メビウスはパロミノのトペ、月光のケブラ
ーダと空中殺法で反撃。Z−P、パワーボム、みちのくドライバーでテイオー
に一矢。しかし、東郷の重量感溢れるフライングボディプレス、さらに3人が
かりのパワーボムですでに瀕死状態か。月光のスパイダージャーマンがテイオ
ーに炸裂するも、コーナーからぶら下がっているところを東郷のドロップキッ
クで串刺し。これで宙釣りになった月光を尻目に、東郷が0.1トーン(ダイ
ビングセントーン)でZ−Pを仕留めた。女性ファン、大歓声である。正調な
海援隊ファンの声援の中で、一部インディペファンのウケ狙いのヤジはほとん
ど聞こえなかった。正常なプロレス会場に戻って、めでたく今日の興行は終了
したのである。
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| この2人が絡むのは95年のWAR以来か | ショー、かっこいい | いつのまにか大物なんである |