2000年1月5日 後楽園ホール  FMW


第4試合 金村キンタロー VS フライングキッド市原

草凪純というセクシータレントを連れて入場 の市原。しかし、みんなどうしてそんなにそういう業界の人に詳しいか。ハイ ヒールを履いているためもあって、ずっと市原より背が高い草凪純。金村がマ イクを握る。
(金村)「俺が言うのも大きなお世話かと思うけど、そんなでどうするん? 瀬奈ちゃ んはどうするんや?」
(市原)「今日はリッキーさんのマネージャーだってよ」
(金村)「そんなんでええんかい?」
(市原)「仕方ないよ。僕ってモテモテだもん」
 受け身を取る金村。
(金村)「市やんもハードコアやの。ハードコアルールでやろう。純ちゃん、いい?」
(草薙)「うん、いいよ!」
 純ちゃんの無責任な軽さ、最高。よくわけのわからないまま、ハードコアマ ッチに。これが、なかなかだったのだ! 市原、IWAジャパンにいた頃の杵 柄か、なかなかのハードコアぶりを見せる。北側ステージで金村がハシゴに登 ると、市原がハシゴを倒し、金村は転倒。さらに市原はステージ下の机めがけ て金村を投げ落としてから、場外ムーンサルトを披露。金村のバク山で決まっ たかと思いきや、返した市原に大拍手が起きる。直後の場外パワーボムで決ま ってしまったが、市原の試合としては破格に面白かった。
 しかし、セミに登場した瀬奈ちゃんも何のアクションもなし。このまま2人 は別れてしまうのか。純ちゃんも含めての今後の展開に期待がかかるところ。

新マネージャー高く舞ったバク山


セミファイナル
冬木弘道
ミスター雁之助VSボールズ・マホーニー
大矢剛功ピットブル1号
リッキー・フジ井上京子

京子の股ぐらにHの頭が…大流血

「ECWの入場です」冬木と京子の姿が目に入 る。やったあ! 予想していた通りの展開ながら、楽しそう。ぎゃははは、お めーら頭かじっちゃうぞ〜という感じの京子に、期待感十分。もともと男子プロレスと女子プ ロレスが同じ土俵(リング?)で戦う流れを作ったのはこの冬木である。かつてWARの トーナメントで神取をタッグパートナーに選び、その後も土屋にフォール負け したり、飛鳥や京子とシングルマッチで戦うなど、確信犯的に男と女の垣根を 飛び越えてきた。WWFのチャイナも結構だが、冬木はやはりパイオニアなのだ。
 もちろんプロレスのスタンダートを愛するファンには男と女が戦うこと自体 に反発があるだろう。試合観戦後、観戦仲間の1人I・Jさんなどは「これで FMWもダメだ。冬木の脳味噌は高木三四郎並みだ」と不快感を露わにしてお り、その言い分も理解できるものがある。しかし、インディーというものの成 立自体が本来的にそういうものではなかったのだろうか? 私が考えるに、も ともと大仁田厚の電流爆破マッチに始まるインディペンデントというもの自体 が長い間に積み重ねられたプロレスのスタンダートを破壊し、その爽快感を切 り売りすることによって命脈を保ってきたわけで。新日全日が、インディー をプロレスの血を啜るダニとして嫌悪したのはある意味当然なのだ。元より、 プロレスという枠組みなどまるで信じていない私はプロレスを破壊してゆくイ ンディー団体を一貫して支持するものである。というより、たとえば新日が大 仁田厚と電流爆破に手を染めたように、いかなるアナーキーでさえもいずれは 時間の埃が降り積もり、スタンダートと化していく宿命にある。
 ただ、どんなバクチであれ、プロレスがプロレスとして成立するための最 低の条件が説得力という一点に尽きるのではないか。電流爆破マッチやファイヤ ーデスマッチ、あるいは現金掴み取りマッチといった荒唐無稽な試合が定着し たのも、そこには確かにその空間の中で成立しているリアリティーがあったか らこその話。で、結論から言えば。その意味で井上京子はなんとかクリアーし てみせた。タッパもそこそこ、体の厚みは申し分がない。攻めに回った時のハ ードヒットぶりも大変良し。受けに回った時も、後楽園の一番後ろから見てい る分には特に不安は感じなかった。冬木の助けを借りながらもHをパワーボム で叩きつける。また雁之助がエプロンで京子の首を絞め、ストンピングを叩き 込むと、会場は大歓声。京子はヒールの男子レスラーとしてとりあえずの合格 点を出した。
 白いズボンで試 合に臨んだHは冬木と京子の姿に驚いたようで、気持の立て直しも付かないま まロンリーバトルを強いられ、マホーニーのフォークに流血させられてしまう。 フォークを奪うと、逆にマホーニーに突き立てたH。狂乱のあまり、空中殺法 や大技はほとんど出さずじまい。最後は冬木がラリアットでリッキーをピン。 京子がマイクを取った。
「FMWの男子、これから私が暴れまくってやるからな!」
 何とも憎々しい。石川雄規に匹敵するFMWマットでの醜いヒールレスラー 誕生。観客の罵声を浴びる。これからの京子の増長ぶり、楽しみとしか言いよ うがない。ECWジャパンが引き上げた後、血まみれのHがマイクを取る。
「冬木君、よくできたね。80点だ。もう一回追放してやるよ。京子ちゃん、そんなに男に飢えているの かい? 俺と雁ちゃんがしばらくつき合ってあげよう」
 ある意味、メインよりもこっちの試合の方が面白かった。

一番湧いた瞬間暴れまくってやるからな


メインイベント 黒田哲広 VS 田中将斗

気合の入ったグラウンド豪快な腕折り

戦うたびに屈指の名勝負を作り上げて きた2人。97年12月5日、ZENの若きエースとして台頭してきた黒田を田中 が突き放した試合。98年6月19日、TNRの奴隷として屈辱の日々を送る 黒田が田中相手に見せた底力。99年2月27日、タッグリーグ戦を前に認め 合うために戦った2人。2人の試合はいつも体を真っ正面からぶつけ合うタフ バウト、その激しさはサイボーグ同士のバトルを見るようである。当然、今日 も、品質保証付きという気持で観戦したのだが。
 序盤の厳しいグラウンドは良しとして。立ち技が動き始めてからの、ノリが いまひとつ。やはり未だにこの2人には技量の差を感じてしまう。名実ともに 世界のトップレスラーとなった田中と、インディーの匂いが強い黒田。それが 黒田の味と言っても、やはり間延びしがちなラリアットを軸に組み立てられるプロレ スは今一つ好きになれないのが正直なところ。
 後半では、ダブルノックダウンのシーンを挟んで、田中の雪崩式スウィング DDT、雪崩式リバースブレーンバスター、ハイジャック式パワーボムなどあ まりに豪快な技と、それに耐えてラリアットを放ってゆく黒田の姿に会場が大 熱狂。黒田コールが会場を包む。ダイヤモンドダストは田中もダメージが残り、 フォールに行けず。命拾いした黒田は一瞬の隙を突いたラリアットで田中をフ ォール。
 終わってみれば、過去の名勝負と遜色ない大試合。良い試合だったが、なん となく田中に元気が感じられなかった。黒田の勝利を喜ぶよりも、田中の今 後が気になってしまう。田中のFMW離脱ECW入りはプロレス的なストー リーの一環として受け止めてきたが、ここで黒田にベルトを明け渡すようでは 楽しんでばかりもいられまい。黒田に共闘を呼びかけられるも、黙って帰って しまう田中。元気いっぱいに冬木や京子と共闘する田中の姿を早く見たいと思 う。
 今日の興行はトータルで75点。及第点。試合後、ステキな人とお酒を 飲んで、その方の同人誌を手に入れられたことも嬉しかったです。では。

発想の勝利。雪崩式スウィングDDTこれは危ない。リバースブレーンバスター


天気読み  プロレスくん


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